龍馬はないの?
《サイド:美袋翔子》
ん?
あれ?
あれって龍馬と真哉よね?
あの二人がなんでここにいるのよ?
まさか、ここで仕事…じゃないわよね~?
試合を終えたばかりの私は、
受付に戻る途中で二人の姿を見つけて足を止めたわ。
前方を歩く真哉は笑顔だけど。
後方を歩く龍馬の顔は真剣そのものに見えるわね。
…なんて言えば良いのかな?
まるで今から決戦でも始まるかのような…って!?
ええええええええええっ!?
もしかして、あの二人っ!?
慌てて駆け寄る私に気付いて視線を向けてくれた二人に急いで話しかけることにしたわ。
「ちょっと真哉と龍馬!!あんた達、まさか試合をしようなんて思ってるんじゃないでしょうね!?」
問い掛ける私に対して、
真哉はあっさりと頷いたのよ。
「だったらどうした?」
「どう…って…」
…あれ?
聞かれて戸惑ってしまったわ。
ちょっと驚いたけれど。
これって別に問題ないのよね?
龍馬と総魔の試合は禁止されてるけど。
他の試合は良いんだっけ?
…あれれ?
でも、総魔は試合に制限があったのよね?
龍馬は?
ん?
周りを見てみれば…?
会場にいるはずのない教員が一杯いる!?
…もしかしてすでに手続き済みなの?
よくわからないけど。
なんだか釈然としない気持ちになるわね。
言葉に詰まってしまったことで、
真哉は笑顔のままで話を進めてしまったわ。
「俺と龍馬。今の俺達の実力の差がどの程度なのか知っておきたいだけだ。どうだ?お前もそうは思わないか?」
う~ん。
どうなのかな?
龍馬の実力は見てみたい気がするけど。
真哉と比べてもなんかね~。
イマイチ、興味は出ないわ。
個人的にはそう思うんだけど。
真哉は私の返事を聞くことさえしないまま試合場へと足を進めていったのよ。
そして…。
「とりあえず、見ててくれないかな?」
龍馬も真哉を追って試合場に向かってしまったの。
う~ん。
見ててって、言われてもね~。
どうすれば良いのか分からないけれど。
とりあえずね。
二人の試合場に歩み寄ることにしたのよ。




