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THE WORLD  作者: SEASONS
4月10日
428/1318

レッドクイーン

《サイド:美袋翔子》



午前10時を過ぎた頃。



何か手がかりになる物がないかな~?



なんて思いながら辞典を読み進めていた私の視線が、とある項目で止まったわ。



今まで全然気にしてなかったんだけどね。


辞典の後半部分に、

ものすごく気になる記述があったのよ。



…うぅ~ん。



一瞬、冗談だと思ったわ。



だけどここに記載されてるのは全て実在が確認されたルーンのはずなのよ。



だから嘘じゃないはずなの。



でもね~?



これって、あれよね?


完全に見た目重視よね?



戦闘においての攻撃力は全く期待できないわ。



そもそも武器ですらないし。


どういうつもりでこんな考えに至ったのかが理解できないのよ。



…だけどね。



私の求める答えが『ここ』にあったの!



面白いっていうか、何ていうか。



微妙な感じ?



…こういうことを考える人って本当にいるのね~。



普通なら絶対に思いつかないと思うの。


これはもう武器とは呼べない武器だからよ。



もちろん防具でもないわ。



誰がどう考えても冗談としか思えない形なんだけど。



実際に存在してたみたい。



辞典に記されている記述によると、

能力自体は風を起こすためのルーンらしいわ。



だけどね?



重要なのはそこじゃないの。


気になったのは『形』なのよ。



長さ50センチを越える、

それなりに大きなルーン。



『広げれば』横幅が1メートルに達する可変式。



名前は『レッドクイーン』っていうそうよ。



単に色彩が赤色だからでしょうね。


多分、所持者の趣味で付けた名前だと思うわ。



能力が風なのに赤色ってよく分からないけれど。


まあ、能力や名前なんて別にどうでもいいのよ。



一目見ただけで、ルーンの形に興味を惹かれたの。



やっぱり、こういうことなのよ。



運命的な出会いって、

こういうことを言うんだと思うわ。



これなら私の特性とも相性が良いはずなの。


それこそ抜群って感じに良いと思うわ。



そんなふうにね。


直感的に感じたのよ。



だから私は思い描くことにしたの。



私が望むルーンの形が分かっちゃったから。


求めていた理想の形が極々自然に心の中に浮かび上がってきたの。



これが答えなのよ〜〜〜!!ってね。



自分でも驚くくらいすんなりと理解できたの。



まるで最初からそうだったかのように。


ずっと以前からそうなることが決まっていたかのように。



ルーンの形がね。


はっきりと鮮明に想像出来たのよ。



…だから今なら。



今ならルーンを作り出せるはず!!



確信的な自信を持てたから。


開いた辞典を膝の上において両手を頭上にかざしてみたわ。



不意に動き出した私に視線を向ける龍馬達だけど。


その程度の視線なんて気にするつもりはないわよ。



今の私にはもう、迷いがないから。



みんなの注目を集めつつも両手に魔力を集中させてみたの。



…大丈夫。



ルーンの作り方自体はすでに知ってるんだから、

どうすればいいかなんて悩んだりしないわ。



ただひたすらに魔力を集めるだけでいいのよ。



…きっと出来る!



結晶化するほどの魔力の凝縮。


そのために集めた魔力によって、

私の両手が急速に輝き出したわ。



以前のパルティアは金色だったけれど。


今回は純白に輝く神聖な光ね。



封印の影響で光属性とは言えないけれど。



総魔の翼に似た光よ。



突如として生まれた光にみんなが驚く状況の中で。



龍馬よりも先に、

淳弥が近づいてきたみたい。



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