もやもや感
《サイド:美袋翔子》
へ~。
さすが沙織ね。
一度見ただけの魔術を使えるようになってるなんて。
ホントに天才だと思うわ。
私なんて使えるかどうかもまだ分からないのよ?
まあ、指輪の力で光属性を封印してるからなんだけどね。
とりあえず出来ないことは仕方がないんだから無理に考えないことにして。
沙織の呼び掛けに気付いた私は総魔と一緒に朝食を購入してから二人に歩み寄ることにしたわ。
「沙織!龍馬!おはよ~♪」
「おはよう、翔子。」
元気良く挨拶をする私に、
沙織も笑顔で挨拶を返してくれる。
そんな沙織に続いて、
龍馬も私に微笑んでくれたわ。
「おはよう。今日はいつもよりも早いね」
「まあね~。」
買ってきたご飯をテーブルに置きながら沙織の隣に座るってみと、
総魔も空いている席に腰を下ろしたわ。
私の向かいで、龍馬の隣よ。
特に遠慮もなく黙って席に着いてくれるのよ。
ちょっと前までなら私達がそばにいるのは迷惑そうだったのに、
こうして一緒にいてくれるようになったのは大きな変化よね。
傍にいることが迷惑じゃないって言ってくれてるような感じだし。
結構嬉しかったりするわ。
「自分でも不思議なんだけど自然と目が覚めたのよね~。二度寝するのも何だか勿体ないし、総魔を迎えに行こうかな〜って思って男子寮に向かってる途中で総魔に出会ったの」
総魔と出会ったいきさつを説明してみたんだけどね。
沙織は私の話を聞き流しながら、
総魔と向き合っていたわ。
「どうでしたか、今の魔術は?」
「ああ、問題ない。今は人の数も少ないからな。光量を調整して余分な魔力の消費を抑えたのもいい判断だったと思う。」
…へぇ~。
沙織ってばそこまで考えて魔術を使ってたのね~。
私だったら単純に総魔の真似をして満足してただけだったと思うけど。
沙織はちゃんと考えて魔術を調整してたんだ?
…って言うか。
そんな些細な部分にまで気がつくなんて、
総魔も総魔で私とは全然違うわね~。
そんな違いがあったなんて、
私は何も気づかなかったわ。
「やはり沙織は他とは違うな。」
「…い、いえ…。」
総魔に褒められたからかな?
沙織は照れくさそうな雰囲気で総魔から視線を逸らしてた。
………。
何、このもやもや感は?
ちょっぴり沙織が羨ましいんだけど?
こういうのも嫉妬っていうのかな?
自分でもよくわからないけれど。
沙織を褒めた総魔は何事もなかったかのように食事を始めているわ。
うぅ~。
すぐ側にいるのはずなのに、
なぜかすごく疎外感を感じるのよね。
こういう時はあれよね?
ひたすら話しかけるしかないわよね?
そう思って、総魔に話しかけることにしたのよ。




