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THE WORLD  作者: SEASONS
4月10日
419/1342

いたずら?

《サイド:御堂龍馬》



ふぅ。


もうすぐ6時30分になるね。


今は沙織と一緒に食堂で食事をしてる最中だ。



これは毎朝の日課でもあるし、

基本的な生活習慣でもあるんだけどね。



もう1年近く続いている日課になってる。


毎日この時間に食事をとって、

そのまま特風会へ向かうのが僕の日課になっているんだ。



沙織は日によって予定が変わるけれど。


大体このくらいの時間に食堂に来て、

二人で朝食を食べる事が多いかな。



ただ。


沙織の場合は特に予定がない限り、

このあとは研究室に行くことが多いと思う。



妹さんのための研究が忙しいようだからね。


一緒に特風会に行くということはあまりないんだ。



…と、言うよりも。



特風に所属している沙織が研究に専念できるようにするために、

翔子が一手に仕事を引き受けていたと言ったほうがいいかな。


理事長からの依頼を全て引き受けていた翔子のお陰で沙織は自由に行動できていたんだ。



…まあ、今はその翔子が自由に動き回っているからね。



最近は沙織が時間を調整しながら手伝ってくれているというのが実情かな。



そんなことも考えながら食堂内を見渡してみる。



さすがに早朝という時間もあって、

この時間帯はまだ食堂も混雑していないね。



大体7時頃から混み始めるから、

それよりもちょっと前に来ると今のようにわりと遠くまで見渡せる状態なんだ。



普段よりも人気の少ない食堂。



沙織と2人でゆっくり食事をしていると、

広々とした食堂に入ってくる二人の人物の姿が見えた。



「あれは…翔子と彼かな?」


「え?」



僕の声を聞いた沙織は静かに僕の視線の先を追っていた。


そして、二人がいることに気づいたようだ。



「あら?珍しい時間に来たわね。」



確かにね。


僕もそう思うよ。



彼はどうか知らないけれど、

翔子はいつもよりかなり早い気がする。


普段の翔子はお昼まで寝ていたいって思う性格だからね。


何らかの予定でもない限り早起きは珍しいんだ。



「呼び掛けた方がいいかな?」



声をかけるために立ち上がろうとしたんだけど。



「大丈夫よ。こういう時に便利な魔術があるから。」



沙織は僕を左手で制してから右手を二人に向けた。


そして何かを企むかのような表情で楽しそうに微笑んでから魔術を発動させたんだ。



…えっと。



一瞬だけ魔術の使用を止めるべきかどうか悩んだ。



食堂内で魔術を使うのは禁止されいるからだ。



けれど。


沙織が校則を知らないはずがないからね。



ひとまず黙って様子を見ることにしたんだ。



その間に沙織が発動した魔術は一筋の細くてか弱い光だった。



攻撃力がどうこうという以前に、

周囲を照らす光量としても弱いと思う。


だけどその光はまっすぐに二人に向かって、

翔子と沙織を一直線に結んでいた。



「………?」



戸惑う翔子が光の出所を視線で追ったことで僕達に気付いたみたいだね。


笑顔で手を振る翔子を確認した沙織は魔術を解除していた。



「今のは光るだけの魔術かい?」


「ええ、そうよ。以前に彼が使っていたのを覚えたの。便利でしょ?」



ああ、確かにね。



満足気に微笑む沙織はどことなく楽しそうだ。


いたずらが成功した子供のよう…かな。



そんなことを言ったら怒られるだろうけど。


それくらい無邪気な笑顔に思えたんだ。



…だけどそれよりも。



戦いや治療以外の目的で魔術を使ったのを見るのは初めてだったかもしれない。



発動した魔術自体はたいしたことのない些細な効果だけど。


沙織の表情を見ていたら、

彼は僕が思う以上に魔術を知り尽くしているような…そんな気がしたんだ。



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