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THE WORLD  作者: SEASONS
4月10日
417/1318

実験中断

《サイド:天城総魔》



…午前6時を過ぎたか。



昨日の午後から実験と検証を繰り返していたのだが、

気がつけばいつの間にか朝を迎えていたようだ。



地下に設立されているルーン研究所から外の様子を窺い知ることは出来ないものの。


時間的に考えればすでに朝日は姿を見せているだろう。



実験室を見渡せば各地で眠りにつく職員の姿が見えるのだが、

今はそれも仕方がないと思う。



脱落と復帰の繰り返しで十数時間にも及ぶ実験だったからな。



ほぼ全ての職員が力尽きて倒れ込んでいるが、

この結果は仕方がないだろう。



かろうじて意識を保っているのは僅か数名だけだ。



西園寺や藤沢達も頭を抱え込む状態で、

まともに動けるのは俺と黒柳くらいか。



その黒柳でさえも周囲を見渡してため息を吐いている状況だ。


あまり余裕がある状態とは言えないかもしれないな。



だからだろうか?



黒柳でさえも疲れを振り払うために、

気持ちを切り替えているように見える。



「…さすがにこの辺りが限界だな。だがまあ、大筋の検証は終わっているから区切りとしては良い方だろう。一旦、休憩を挟むことにしよう。」



黒柳が休憩を宣言した瞬間に。



「「「はぁぁぁぁ…。」」」



辛うじて残っていた西園寺達もその場に崩れ落ちた。



「…疲れました…。」



ため息を吐く西園寺は今にも意識を失ってしまいそうに見える。



「せ、せめて、自分の部屋に…。」



ふらつく足取りで実験室を出ようとする藤沢も同様だ。


無事に自室まで戻れるかどうかすら疑問を感じる状態だが、

それでも藤沢は実験室を出て行った。



「私はお風呂に入りたいです…。」



疲れきった表情で歩き出す西園寺もふらふらと実験室を出て行く。



そのあとすぐに。



「少し寝てきます」



大宮は少し離れた場所で横になって眠りについた。



「俺も限界かな…?」



峰山も離れた場所で眠りにつく。



その結果。


動けるのは俺と黒柳だけになってしまったようだ。



「…ははっ。死屍累々(ししるいるい)という感じだな。」



顎に手を当てる黒柳が俺に振り返る。



「天城君はどうだ?」


「問題ない。」


「ふむ。やはりきみは研究者に向いているのかも知れないな。まあ、急ぎはしないがもう一度考えてみてはどうだ?この研究所で働くことをな。」


「悪くはないが、俺には俺のやるべきことがあるからな。それが終わるまで一箇所に留まることは出来ない。」


「目的か…。終わるあてはあるのか?」


「…いや、今はまだ分からないが諦めるつもりはない。」


「ふむ。きみが何を求めているのか知らないが今は聞かないでおこう。だがもしも話したくなったら何時でも来てくれ、相談に乗ろう。」


「ああ、感謝する。」



下手に誤魔化さずに素直に感謝したからだろうか?



「ははははっ。」



黒柳は楽しそうに笑っていた。



「まあ、とりあえず話は終わりだ。天城君も少し休んだ方がいい。実験はまだまだ続くのだからな。」


「ああ、そうだな。」



俺も一旦、実験室を出ることにした。



「食事をしてくる。1時間ほどで戻ってくるつもりだが、それでいいか?」


「あー、いや、もう少し遅い方がいいな。この状況では実験の再開は難しそうだからな」



…まあ、そうだろうな。



職員がほぼ全滅という状況だからな。


すぐに実験を再開するというのは無理があるようだ。



「そうか。だったら午後にでも出直すことにする。」


「ああ、そうしてくれ。それまでには準備も整っているはずだ。」


「分かった。あとでまた来る。」



食堂に向かうために実験室を出ることにした。



…次の実験は午後からだ。



それまでどうするか。


今日の予定を考えながら研究所の外へと足を踏み出してみると。


予想通り研究所の外はすでに朝日が薄っすらと姿を現していた。



早朝と呼ぶべき時間帯だな。



実験の再開まで特に予定はないが、

ひとまず食堂に向かって移動することにした。



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