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THE WORLD  作者: SEASONS
4月9日
392/1354

参加の意思

「理事長!」


「ん…?何?翔子」


「さくっと話を進めてもらえると有り難いんですけど?」


「え?あ、あぁ…そうね。」



話の流れを変えようとする翔子先輩の配慮のおかげで、

少し空気が軽くなったような気がします。



「ごめんなさいね。え~っと、どこまで話したかしら?」


「大会の出場に関してです。」


「あ、ああ、そうそう。そうだったわね。」



一度笑顔を見せてから、

理事長さんは説明を再開してくれました。



「天城君と御堂君。それから翔子と沙織と北条君の5名を大会参加者として準備を進めているんだけど、異論のある人はいるかしら?」



断る人がいないかどうか問い掛けていましたけれど。


今のところ不満を訴える人はいないようです。


総魔さん達は誰も反論しませんでした。



「それじゃあ、全員参加と受けとって良いのかしら?」



再度確認する理事長さんが全員を見渡しています。



ですが。



この質問は意味があるのでしょうか?



全員の意見を聞くと言っても、

常盤先輩と北条先輩は気を失っているので返事が出来ない状態です。



総魔さんは参加を認めているので良いとしても、

実際に意見が言えるのは翔子先輩と御堂先輩だけです。



ですので。


この状況で全員の意見というのは無理があるような気がします。



もう少し時間をおいてから改めて全員に問いかけるべきだと思うのですが、

ひとまず翔子先輩と御堂先輩は断るつもりがない様子でした。



「私はどっちでもいいわよ〜。」


「僕は参加させていただきたいと思います。」



翔子先輩は否定せずに。


御堂先輩は参加を宣言しました。



「それじゃあ、二人は承諾という判断でいいわね。」



順調に話が進んでいるからでしょうか。


理事長さんは満足そうに頷いています。



そうして先輩達の確認を取った後で、

次に私と向き合ってくれたんです。



「さて、と…。この間は返事を聞いてなかったけれど。貴女の気持ちは決まったかしら?」



…あ。



私にも聞いていただけるんですね。



以前の話だと強制参加に思えたのですが。


ちゃんと私の意見も聞いていただけるみたいです。



もしも嫌なら参加しなくても良いという流れだと思います。



…ですが。



私としても断るつもりはありません。



魔術大会に参加して何ができるかはわかりませんけれど。


こんな私でも必要としてもらえるのなら、

出来る限りの努力はしてみたいと思っているからです。



ですので。


理事長さんに参加を伝えることにしました。



「私でよければ…参加させていただきます。」



立場的には補欠なのですが、

それでも参加を受け入れました。



もちろん不要だと言われれば即座に身を引くつもりでいます。


先輩達の足を引っ張るようなことはしたくないので、

少しだけ不安を感じていたのですが。



「優奈ちゃんなら、ありありのありね♪」


「ああ、そうだね。貴重な戦力だよ。」



翔子先輩も御堂先輩も私の参加を認めてくれるみたいです。


全く引き止めようとはしませんでした。



「うんうん!それじゃあ、これで6人全員の参加ってことで良いわね?」



笑顔を浮かべる理事長さんですが、

翔子先輩は冷たい視線を向けています。



「私達は別にいいけど、沙織と真哉には確認出来てないですよね?」


「そこはあなた達に任せるわ。まあ、聞かなくても参加だとは思うけどね。だけどどうしてもって言うのなら他を探すわ。一応、そうならないことを祈ってはおくけれど。」



沙織先輩と北条真哉先輩の説得を翔子先輩に丸投げした理事長さんは、

私達に背中を向けてからゆっくりと歩き始めました。



「それじゃあ、またね。」



一声かけてから離れていく理事長さんでしたが、

少しだけ離れてから何かを思い出したかのように数秒間だけ足を止めました。



「あ~、あと、私は町の方で色々と仕事があるから2、3日くらい学園を留守にするけれど。そろそろあなた達も『本業』をよろしくね~」



学園を留守にすると言ってから、

そのまま会場を出て行ってしまいました。



どこへ向かうのかは分かりませんが。


理事長さんは共和国の代表でもあるので、

お仕事が忙しいのだと思います。



…ですが。



本業というのはどういう意味なのでしょうか?



理事長さんの後ろ姿を見送ったあとで、

先輩達に尋ねてみることにしました。



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