4日
《サイド:美袋翔子》
はぁ~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
良かったぁ~。
ほっと安堵のため息を吐いてみる。
ようやく淳弥の治療が終わって、
一命を取り留めたことが確認できたからよ。
初めて『アルテマ』を発動したという理由もあって全く加減が出来なかったんだけど。
これでなんとか殺人者にはならなくて済んだわ。
…さすがにね。
手伝ってくれた淳也を殺すつもりなんてないわよ。
まあ、死ななければそれで良いっていうわけでもないんだけど。
とりあえず怪我そのものはほぼ完治してるようだから、
あとはしばらく様子を見て目覚めるのを待つだけって感じみたい。
「はぁ~。良かった~。」
心から思うわ。
人殺しにならなくて良かった、ってね。
まあ、淳弥が助かったことも喜ぶべきなんだけどね。
でも今は安心した途端に気持ちが緩んで、
その場に座り込んでしまったわ。
…はふぅ。
改めて考えてみると『アルテマ』って魔力の消費量が半端じゃないわね。
あらゆる魔術を一斉発動させるから、
魔力の消耗が激し過ぎるのよ。
ある程度使いこなせるようにならないと、
2、3回使ったら確実に魔力が底をついて倒れると思う。
あまりにも強力過ぎるせいでね。
使い所が難しい魔術なのよ。
はぁぁぁ~~~。
疲れた~。
なんて。
全力でため息を吐いていたら。
背後から聞き覚えのある声が聞こえてきたわ。
「あー、腹減ったー!!ってか、どこだここは?今、何時だ?」
…うわぁ~。
馬鹿の声が聞こえるわね。
声の方向へ振り返ってみると。
予想通り、真哉が目覚めていたのよ。
やっと起きたのね~。
…っていうか。
第一声が腹減ったってどうなの?
色んな意味でため息を吐きたくなるわね。
だけどまあ、起きたのなら無視は出来ないかな。
とりあえず真哉の側に歩み寄ってみることにしたわ。
「やっと目が覚めたの?」
「ん…?おっ!翔子じゃないか!何となく久し振りだな」
…はあ?
何となくって…。
私以上に気楽で馬鹿すぎるわね。
「それはそうでしょ。だってあんた、軽く4日は寝てたんだから」
「はぁぁぁ?妙に腹が減ってると思ったら、4日も寝てたのかっ!?」
…いやいや。
言いたいことは分からなくもないけど。
「問題はそこじゃないと思うわよ…?」
「ちっ!4日も飯を食いそこねるとはな!こうしてる場合じゃねえ!翔子!ついて来いっ!!!」
…は?
「え…?ちょっ!?って、痛いってば〜…っ!!」
抵抗する隙もないまま。
無理矢理真哉に拉致られて、
食堂まで引きずられてくことになってしまったのよ。




