ドレイン・マスター
《サイド:黒柳大悟》
…何と言うことだっ!?
天城君の試合を見に来たはずが、
まさかこんなことになるとは!?
『深海優奈』
あの子は確実に成長している。
研究所で会った時とは比べものにならないほどに、だ。
吸魔の特性を最大限に引き出したあのルーン。
遠隔地からでも魔力の吸収が出来る能力は禁呪に匹敵するだろう!
近接戦闘を主体とする天城くんとは違い、
遠距離から一方的に魔力を奪い取れる能力。
対魔術師戦において即死級とも言える攻撃はもはや悪夢と表現しても良い。
…すでに分かってはいたことだが。
やはり深海君の能力は天城君を越えているようだな。
こと吸収に関しては世界最高の能力者と認めざるを得ない。
これはもう単なるマジックドレインとは言えないだろう。
『極めし者』
ドレイン・マスターとでも言うべきか。
今回は吸収だけに終わったが、
吸収した魔力を発動させていた場合。
天城君の言葉通り、
全力で結界を展開させていなければこの会場を守りきれなかったかもしれない。
どこまで溜め込めるかは不明だが、
おそらく天城君のアルテマ級の攻撃はできるはずだ。
…いや、状況次第では天城君を超えるか?
無尽蔵に魔力が吸収出来るとすれば、
発動できる魔術も無限大になってしまうからな。
例え一度限りの使い捨てだとしても、
その一撃の破壊力は史上最強になりえるのだ。
…これが真の吸収の能力者ということか。
天城君に匹敵する要注意人物である彼女の試合も、
今後は慎重に検討しなくてはいけないのかもしれない。
そう思わされるほどの異常事態だった。




