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THE WORLD  作者: SEASONS
4月9日
371/1355

自分を信じて

何でしょうか?


少し慌ただしいですね。


そんなふうに思いながら足音の方へと視線を向けてみると、

二人の男子生徒が駆け寄って来る姿が見えました。



まっすぐにこちらの試合場に近づいてきています。



だとすれば。


あの二人が総魔さんの呼び出した対戦相手なのでしょうか?



「はぁ、はぁ…やっと、着いた…。」


「ったく!お前はいつもいつも寄り道のしすぎなんだよ!」


「はぁ、はぁっ…。だって、仕方がないだろ…?お前と違って、こっちは特風の仕事があるんだよ。」



突然やって来て言い合いを始める二人でしたけど。


そんな二人の仲裁の為に里沙先輩が間に割って入りました。



「…はいはい。戯言は後で好きなだけやればいいから。とりあえずさっさと試合を始めてくれない?」


「悪ぃ悪ぃ。」


「ん?何だ?里沙も来てるのか?」



里沙先輩になだめられて落ち着く二人の男子でしたが。



「は…?」



その内の一人が総魔さんに気づいたようです。


こちらに振り向いてから話し掛けてきました。



「まさか二度目があるとは思っていなかったが、何か俺に怨みでもあるのか?」



…え~っと。



何となく怒ってるような、

挑発的な話し方ですね。



ですが。


総魔さんは気にしていない様子でした。



「いや、生憎だがお前の対戦相手は俺ではない。」



何故か総魔さんは私に視線を向けています。



これは、つまり。



私が戦うという意味でしか考えられないです…よね?



不安な気持ちを視線で訴える私に向けて、

総魔さんは静かに微笑んでいます。



そして小さな声で宣言しました。



「断言する。この試合で必ずルーンが発動する。」



囁かれたその声は相手の生徒には聞こえていなかったかもしれません。



だからでしょうか?


対戦相手の方は不満そうな表情のままです。



それでも総魔さんは特に気にしていないようで、

相手の方に視線を戻してから試合場へと視線を動かしました。



まるで早く行けと視線で訴えるかのように、です。


その様子を見て話し合いが出来ないと判断したのでしょうか?



彼は無言のまま試合場へと足を進めていきました。


私はその後ろ姿を視線で追っていたのですが、

今は試合よりも総魔さんの言葉が気になって仕方がありません。



彼と戦うことで本当にルーンが使えるようになるのでしょうか?



不安を感じてしまいます。



ですがそんな私の背中を後押しするように、

総魔さんが優しく語りかけてくれました。



「心配する必要はない。必ずルーンは発動する。だから今は自分を信じて戦いに挑め。」



自分を信じて。


その言葉が、私の心に残ります。



自分を信じて戦うこと。


今までにも何度も言われてきましたが。


改めて心の中で繰り返してから、

私も試合場へと歩みを進めることにしました。



今回の対戦相手の名前は『岩永一郎いわながいちろう』さんというかたです。



詳しい話は知りませんが、

おそらく彼も総魔さんに敗れた生徒の一人なのではないでしょうか?



ひとまず試合場に立って、

岩永さんと向かい合ってみます。



「………。」



まだ機嫌の悪そうな感じの岩永さんですが、

私にはどうすることも出来ません。



総魔さんが何を考えているのかは私にも分かりませんし、

初対面の私を睨まれても困ります。



…うぅ〜。



怖いです。


睨まないでください…。



「………。」



お互いに何も言わないまま、

沈黙の時間が流れてしまいました。



そんな中で。


審判員さんが中央へと歩み寄ります。



「それでは…試合、始めっ!!」



試合開始が宣言されてしまいました。



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