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THE WORLD  作者: SEASONS
4月9日
354/1366

開場

《サイド:深海優奈》



時刻は午前7時50分です。


昨日の夜に総魔さんと約束をしましたので、

今日もまた30分前から会場の入口で待つことにしました。



肝心の総魔さんの姿はまだ見えませんけれど。


今日まで試合が出来なかった他の生徒さん達は会場が開かれるのを心待ちにしている様子ですね。



私としては初めて見る方ばかりなのですが、

数えられる範囲だけでも20人くらいはいると思います。



まだこれからも集まるとしたら、

もう少し増えるのでしょうか?



ここは1番から99番までの生徒が集まる会場です。



実際には100番から120番くらいまでの生徒も挑戦に来ると思いますので、

最大120人くらいは集まるのかもしれません。



その全員が集まるということはないと思うのですが、

半分くらいなら集まることもあるのではないでしょうか?



私としては初めて参加する会場です。


入口付近で待っている生徒さん達の中に、

知ってる人がいないか気になって探してみました。



ですが、誰一人として見覚えのある人はいません。



唯一知り合いと言える常盤先輩がここにはいないから当然ですね。



もちろん翔子先輩も御堂先輩もいません。



悠理ちゃんも…いません。



刻一刻と迫る開場の時間。


時計の針が8時を指そうとした丁度その時に、

会場に近づいてくる総魔さんの姿が見えました。



「あ、総魔さ…!」



総魔さんに気づいて声をかけようとすると。



『ガガガガッ』と引きずるような音を立てながら会場の扉が開かれて、

集まっていた生徒のみなさんがなだれ込むように会場内へと入って行きました。



丁度、8時のようです。



開場を待っていたみなさんが中に入っていく様子を見送ってから総魔さんに視線を戻してみると。


すでに総魔さんは私のすぐ傍にいてくれました。



「…ぁ、おはようございます。」


「ああ、おはよう」



朝の挨拶を交わしてから、総魔さんの隣に並びます。



「いよいよですね。」


「ああ。ようやくここまでたどり着いた」



総魔さんの瞳は何処か遠くを見ているように感じます。


何か感慨深いものがあるのでしょうか?



「どうかしましたか?」


「…いや、何でもない。」



総魔さんは入口に視線を向けたまま小さく呟いています。



本当に何もないのでしょうか?



そうは思えないのですが、

総魔さんは何も言わずに歩き出してしまいます。



私はまだ何も知りませんけれど。


頂点を目指していた総魔さんは数日前にもこの会場にも足を運び、

1位まで上り詰めることに成功していたそうです。



その後一時的に離れていましたが、

またここに戻ってくることができた総魔さんは今どんな気持ちなのでしょうか?



ここを乗り越えてしまうともう、

その先はありません。



ここが最後の会場だからです。



だから、最後の試合に勝った時。


総魔さんはどうするつもりなのでしょうか?



聞いてみたい気はしますが、

今は聞かなくてもすぐに分かるような気もします。



だって、総魔さんが負けるはずがないんですから。



絶対と言いきっても良いくらい。


私は総魔さんの勝利を信じています。



なので。


全てが終わる日はそう遠くないはずです。



…たぶん。



今日中に全て終わる気がしますから。


そのあとのことはすぐに分かると思います。


だから今考えなければいけないことは、

私がどこまで勝ち進めるかという問題です。



ただそれだけなんです。



『決戦』という最後の舞台。



その試合を目指して、

私と総魔さんは会場内へと歩みを進めました。



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