あと1回
翌朝、午前5時45分。
気が付けば医務室のベッドの上にいたわ。
検定会場で倒れたあとで、
ここに運び込まれたみたい。
静かな雰囲気の医務室。
早朝のこの時間は静寂に満ちていたわ。
…みんなまだ眠ってるのかな。
私の他にもベッドで眠ってる生徒がいるみたいだけど。
その中には対戦相手だった遠山栄治の姿もあるわね。
…試合が終わる前後の記憶が若干曖昧だけど。
ちゃんと彼に勝ったのよね?
心配になったから生徒手帳を確認してみる。
…うん。
生徒番号は5094番に書き換えられていたわ。
大丈夫みたい。
引き分け扱いになってなくてよかった。
一応これで昨日一日に3回試合をして、
3戦3勝ってことよ。
初めて日間無敗記録を作れたけれど。
今はまだそんなことに興味なんてないわ。
まだまだ足りないからよ。
優奈に追いつく為にはまだ足りないの。
最低でも5000は切りたいしね。
二桁とか三桁なんてどう考えても無理だけど。
せめて4000台に進んで、
熟練者級に入りたいとは思うのよ。
だけどその為にはね。
あと1回勝たないと辿り着けないの。
…あと1回。
遠山栄治との試合でさえ重傷を負ったのに。
あと1回勝ち上がらないと目的まで到達出来ないって出来るのかな?
きついというか。
厳しいというか。
絶望的な気分になるわね。
だけど、勝ち進まなければ優奈に会いに行けないのよ。
次に目指す第6検定試験会場は、
4000から4999番までの生徒が集まる会場。
だからこそ遠山栄治よりも格上の実力を持つ生徒が集まる会場なのは間違いないわ。
…勝ち上がることが出来るのかな?
今回はギリギリ勝てたけれど。
次も勝てると限らない。
…だけど、やるしかないのよ。
消えない不安を感じながらも。
ひとまず医務室を出ることにしたわ。




