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THE WORLD  作者: SEASONS
4月8日
348/1366

続きは明日へ

説明を聞き終えたあとで。


私達は最後の検定会場へとたどり着きました。



とうとうここが最後です。


昨日まで最初の検定会場にいた私が気が付けば最後の会場にいるんです。



まだまだ緊張もありますが、

今もまだ申し訳ない気持ちがありました。



ここまで来ておきながら言えることではないのですが、

本当にここにいても良いのでしょうか?



無敗という記録を持っている私と総魔さん。



結果だけを見れば決して場違いとは思いませんが、

それでも私の実力は初心者並です。



…ここまでは勝ち続けたけれど。



ただ負けなかっただけなのです。



私自身の実力ではなくて、

吸収の能力だけで勝ち進んでいるのです。



達成感も何もない不敗。


そんな成績に違和感しか感じないのですが。


このまま戦い続ける意味はあるのでしょうか?



複雑な心境で歩みを進める私の前を歩く総魔さんは堂々とした態度です。


私もこんなふうに自信を持って歩けたら、

こんなふうに悩まなくて済むのでしょうか?



そんなことを考えながら歩き続けていると、

不意に総魔さんが足を止めました。



「どうかしたんですか?」



不思議に思って前を覗き込んでみると、

いつの間にか受付に到着していたようです。



ですが。


何故か静かな会場。


私達の他に生徒は誰もいないようでした。



その様子を見ていた総魔さんが受付で尋ねています。



「まだ、試合が出来ないのか?」


「…は、はい。すみません。」



総魔さんの質問を聞いて、

受付のお姉さんが申し訳なさそうに頭を下げていました。



「まだ会場内の復旧作業が追いついていませんので…。」


「いつ終わる予定だ?」


「なんとか今晩中には…。明日からは通常再開する予定です。ただ、あなたの参加が認められるかどうかは分かりません…。」



お姉さんが言いよどんでいます。


総魔さんだけは参加出来ないというのはどういうことでしょうか?



「何かあったんですか?」



尋ねる私に、

お姉さんは困ったような表情で答えてくれました。



「天城総魔さんが全力で戦うと、また会場が壊れかねませんので…。」



…ああ、そういう理由があるんですね。



何とも言えない説明でした。



私は見たことがありませんが、

話は何度も聞いています。



総魔さんはこの会場で何度も試合場を破壊しているそうです。


だから復旧作業がまだ追いついていないという話でした。



「申し訳ありません…。」



言いにくそうに答えるお姉さんを見ていると、

なんだかちょっぴり可哀相な気がします。



お姉さんのせいではないので謝る必要はないと思うのですが。


私が言える立場ではありませんね。



「天城総魔さんに関しては明日の再開と同時に決定が出ると思いますのでもう少し、お待ちいただけますか?」


「ああ、構わない」



お姉さんの説明を聞いた総魔さんは頷いていました。



その結果。



私達は試合を諦めて、

会場を出ることになりました。



「残念でしたね?」


「ああ、そうだな。だが、出来ないものは仕方がない。今日はゆっくり休んで、明日に備えるしかない」


「は、はい。そうですね…。」



今日はもう試合がないみたいです。


そう思った瞬間に、一気に体の力が抜けました。



…ふわぁ~。



自分で思っていた以上に緊張していたようです。



もう試合をしなくていいと思った途端に驚くくらい気持ちが楽になったんです。


ひとまず緊張から解放されたことで、

総魔さんに話し掛けることにしました。



「ご飯にしますか?」



笑顔を浮かべる私を見て、

総魔さんは小さく頷いてくれます。



「ああ、そうだな」


「それでは、行きましょう。」



会場に背中を向けて歩き出す私と総魔さん。



今日の戦いは終わりです。



続きは明日へ。



ですが。



私はどこまで勝ち上がれるのでしょうか?



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