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THE WORLD  作者: SEASONS
4月3日
34/185

セカンド・ステージ

ようやく第5検定試験会場についた。


受付で手続きを済ませてから指示された試合場に向かい、

今は対戦相手の到着を待っている。



この会場を乗り越えられれば、

いよいよ次の会場で2000番を狙えるようになるからな。


事実上、学園の生徒1万人を越えるということだ。


そこから更に残る2千人との戦いも乗り越えなければ翔子にたどり着くことはできないが、

まずはここでの戦いを終わらせる必要がある。



今回の対戦相手は生徒番号3005番。


三船錬次(みふねれんじ)という名前の男子生徒だ。



聞いてもいないのに一方的に解説をしたがる翔子が言うには、

この会場なら最上級魔術を使える生徒が数多くいるらしい。



今まで以上に難易度が高いという話だった。



…むしろ好都合だ。



色々と思うことはあるが、

対戦相手が強くなるのはありがたい。


翔子達と戦うまでに強力な魔術を習得しておきたいからな。


ホワイト・アウトやエンジェル・ウイングのような特殊な魔術ではなく、

学園で学ぶことのできる様々な魔術にも興味はある。



特に最上級魔術を習得しておけば、

今よりも戦略の幅が広がるだろう。


今後のためにも、

強力な魔術への対抗策は手に入れておきたい。



それだけでも大きな利点になる。


各種特性を把握するだけでもこれまで以上に様々な状況に対応できるようになるからな。



より上位の魔術を習得するために、

強力な魔術が使用できる生徒とは対戦しておきたいと思っている。



「とりあえず応援してるから頑張ってね~!」



………。



これは、どうなのだろうか?


翔子の言動には幾度となく疑問を感じるのだが、

その行動は正しいのだろうか?


誰が誰を応援しようと個人の勝手だ。


それ自体は自由だと思うのだが、

本来の役目を忘れていないだろうか?



本当に監視役なのかどうかさえ疑問に感じてしまう。



…ひとまず今は考えないようにしよう。



どれだけ考えても答えは出ないからな。


悩むだけ時間の無駄だ。



翔子のことは無視して、

早々に試合場に足を踏み入れる。



だが、対戦相手はまだ現れていない。



見渡せる範囲内ではこちらに向かってくる生徒の気配も感じられない。


今回の対戦相手もどんな生徒なのかは知らないため、

こちらから探すことも出来ないのだが、

特に急ぐ理由もないからな。


ひとまず試合場の開始位置に立ちながら、

対戦相手の三船が現れるのを待つことにした。



…それほど待たされるわけでもないからな。



その間に少し気持ちを落ち着かせようと考えて、

静かに目を閉じながら深呼吸を繰り返す。



…まだ大丈夫だ。


…まだまだ戦える。



先ほどの試合で僅かに魔力が減少しているが、

それ以外は特に問題ない。



翼を展開するために3割近く魔力を消費したように思うが、

翔子の足止めによって時間を取られてしまったからな。


すでにそれなりに回復している。



まだまだ完全とは言い切れない状態だが、

試合中に魔力を奪い取ることを考えれば完全である必要もないだろう。



魔力吸収の能力がある限り、

何度連戦したとしても魔力が底をつくことはないからな。



少なくとも。


魔術師と戦い続ける限り、

魔力が足りないという事態にはならないはずだ。



相手が強ければ強いほど奪える魔力の量も増える。


試合を繰り返して魔力を吸収し続けるだけで翔子を超える魔力を手に入れられるはずだ。



そこまでたどり着ければ、

学園の頂点に立つ生徒との実力差も一気に詰めることができるだろう。



すでに進むべき道筋は見えている。



初手としてまずは翔子に匹敵する魔力を蓄える。


そして翔子の魔力も喰らうことで、

二人分の魔力を手にする。



その後。



次手として翔子よりも格上となる学園3位の生徒の魔力も奪う。



続けて学園2位の生徒を倒すところまで進むことが出来きれば、

計算上は翔子の数倍の魔力を集めることができるはずだ。



もちろん魔力の量が強さの基準ではないものの。


魔力が足りないために攻撃も防御も通じないという事態は避けられる。



その道筋を進むために。



まずは翔子へたどり着く前に、

少しでも多くの魔力を集める必要があった。



問題はどこまで順調に計画を進められるかだが、

その辺りは実際にやってみなければわからない。



…とにかく今は戦い続けるしかないからな。



そんなふうに考え事をしていると、

自然と聴覚に意識が向いて周囲の騒音がいつもより大きく聞こえてきた。



それらに興味があるわけではないが、

会場内の各地で試合が行われているために騒々しい雰囲気は感じられる。



そんな中で、未だに翔子の呑気な声援も聞こえてくる。



「頑張れ~!」



………。



本気で応援するつもりなのだろうか?



まだ対戦相手もいない状況だ。


試合は始まってすらいない。


この状況で応援をする意味があるのかどうかという部分からすでに疑問を感じているのだが。


そもそも監視の役目を持っているはずの翔子が堂々と応援している姿はどう考えても不自然としか思えない。



…とは言え。



以前のようにコソコソとかぎ回られるよりは

まだましかもしれないとも思う。



どちらが良いのだろうか?



一瞬考えてみたが、

結論から言えばどちらも迷惑なのは事実だった。



…やはり考えるだけ時間の無駄かもしれないな。



どうでもいいとしか言いようがない。


今のところ翔子と深く関わるつもりはないからだ。



少なからず信用できる人物だとは思っているが、

いずれ戦うことになる相手の一人だからな。



必要以上に仲良くなる必要がないと思うからこそ、

翔子の能力も聞かなかった。


同じ理由で翔子の上にいる者達の名前を知ろうとも思わない。



情報を集めることは大事だが、

相手の力が分からないからこそ戦いに緊張感が生まれるのであって、

相手の実力を知ってしまったら戦う興味すらなくなってしまうからな。



だから今は気にするつもりがない。



翔子の存在は無視する。


監視も応援も好きにすればいい。


どういう意図があるにしても、

こちらから関わろうとは思わないからな。



そんなことを考えながら対戦相手の到着を待ち続けていると、

ようやく三船と思われる人物が試合場に駆け寄ってきた。



…来たか。



思考を中断してゆっくりと目を開いてみると、

試合場に到着したばかりの三船が話しかけてきた。



「やあ、きみが今回の挑戦者かい?噂は色々と聞いてるよ。たった一日でセカンド・ステージまで上り詰めたらしいね。」



…ん?



セカンド・ステージ?


また聞きなれない言葉が出てきたな。


どういう意味だろうか?



「なんだそれは?」



何か重要な区分けでもあるのだろうか?



「あれ?まだ知らないのかい?1000番から9999番までの4桁台の生徒をそう呼ぶんだよ。」



3桁ならサード・ステージと呼ばれ、

2桁ならフォース・ステージと呼ばれるらしい。



「ちなみに10000以下の5桁はファースト・ステージって呼ばれてるんだよ。わかりやすくいえば初心者の集まりだね。」



…なるほど。



新入生を含む1万以下の生徒達はファースト・ステージと呼ばれるらしく、

1千番以下の生徒達だとセカンド・ステージと呼ばれるらしい。



「そんな区切りがあったのか?」


「まあ、こういう話はファースト・ステージではあまり話題にならないかもしれないね。区分けそのものに意味はないし、数字的に分かりやすく表現してるだけだからね。」



特に意味はないらしい。


単純な区切りだけで、

気にするほどではないようだ。



「とりあえず新入生のきみがここまで勝ち上がってきた事実は素直に認めるよ。だからきみを甘く見るつもりはないし、最初から全力で戦わせてもらうつもりでいる。」



開始線で足を止めてから早々に油断なく構えた三船から、

かすかな殺気が漂い始める。


どうやら本気で戦うつもりのようだな。


俺を格下だと思って油断するつもりがないのは好感が持てる。



「僕はね、これでも3年がかりでここまできたんだ。だからきみがどれほど強いとしても、新入生には絶対に負けられないんだよ!!」



これまで培ってきた努力を否定させないために気合を見せる三船の瞳が真剣な眼差しに変わっていく。



「きみの挑戦はここまでだ。」



強気な態度で堂々と立ちはだかる三船からは、

これまで戦ってきたどの生徒よりも強力な威圧感が漂っている。



文字通り、強者の貫禄だ。


良い気迫だな。


鬼気迫る迫力とでも言うべきか。


言葉だけではない確かな実力が感じられる。


だからこそ戦う意味があるとも思えた。



…全力で戦う相手を倒すことでつかみ取れる何かがあるからな。



苦戦を感じさせてくれる相手であればあるほど良い経験が得られる。



そう思うからこそ、

三船が放つ気迫は少なからず心地よく感じられた。



「挑戦させてもらおう。」


「返り討ちにするだけさ。」



互いに睨み合う中で、

審判員が試合場の中央に歩み出る。



「双方、準備はよろしいですね?」



最終確認を取る審判員だが、

その行動に意味はない。


すでに互いの意思は確定しているからな。



「それでは、試合、始めっ!!」



審判員の号令によって試合が始まってすぐに、

俺達は同時に詠唱を開始した。


そして僅かな時間差で、

それぞれの魔術が発動する。



「エクスカリバー!!」


「ホワイト・アウト」



一瞬早く三船が先に魔術を完成させて発動したようだが、

こちらに届く前にはすでに霧の結界が完成していた。



「突き抜けろっ!!」



気合を入れて放たれたのは数千に及ぶ数の暴力。


最大級の威力を感じさせる風の刃だ。


間違いなく最上級魔術だろう。



だが、放たれた全ての風が霧に飲み込まれて消滅していく。



「ちっ!最上級魔術ですら防ぎきるのか…!」


「ああ、この程度の威力で霧の攻略は不可能だ。」



高威力の風の刃だった。


その事実は認めるが、

結界は突き抜けられなかった。



「もっと強力な魔術を見せてもらおうか。」


「ちっ!なら、これでどうだ!!テスタメント!!!!」



放たれたのは絶対零度の冷気。


あるとあらゆる存在を凍てつかせる超低温の冷気が霧の結界に降り注ぐ。



…これも最上級魔術か。



威力に申し分はない。


速度も範囲も称賛できる。


だが、それでも。


それでも霧を凍結させるには至らなかった。


絶対零度の冷気でさえも結界に影響を与えることなく消失してしまったからだ。



「くっ。シールドでさえ凍結するはずなのに、なんて結界なんだ…っ。」



予想以上だったのだろう。


戸惑う様子の三船だったが、

小さく舌打ちしながらも更なる魔術を発動させている。



「正攻法がダメなら力で押しきるまでだ!!ダンシング・フレア!!」



魔術が発動すると同時に。


突出した両手から膨大な紅蓮の炎が生まれて瞬く間に霧の結界を包み込んでいく。


そして勢いよくうねり踊るように結界の周囲で燃え広がっていった。



「全てを燃やし尽くしてみせる!!」



全力で放つ炎に思いを込める三船だが、

霧に接触している部分からは徐々に炎が消えている。


あと数秒で消え去るだろう。



「無駄だ。炎も通じないからな。」


「…かもしれないね。だけどこれでいいんだ!」



三船の目的は炎による攻撃ではなかったらしい。


霧そのものではなく、

結界の外周に視線を向けている。



「…そうか、そこが狙いか。」



徐々に勢いを弱めていく炎だが、

それは結界の力による影響ではない。



「結界ではなく、直接俺を狙ってきたか。」



三船の狙いに気付いた。


直接的にではなく、

間接的に攻めてきたということだ。



「だがその為にはまだ力が足りないな。」


「…そんな事は分かってる!」



目的を達成するための欠点を指摘したのだが、

攻撃はまだ終わっていなかったらしい。



「だからこうするのさ!!」



炎の影響が消える前に、

続けざまに魔術を生み出す。



「ダンシング・フレア!!」



再び放たれた紅蓮の炎。


踊り狂う炎が再び霧の周囲を取り囲んでいく。



「この炎で全ての酸素を食い尽くす!いかに強力な魔術師といえども、人である限り酸素を失って意識を維持することは不可能だからね。だから僕の魔力ときみの意識、力尽きるのがどちらが先か…気力の勝負だ!!」



どちらが先に倒れるか。


魔力のある限り炎を生み出し続けて酸欠による勝利を狙う。


作戦の狙いは有効的だ。


悪くないと思う。



だが、気力の勝負に持ち込んだ以上。


ここから三船が挽回する手段はなさそうにも思える。



「一つだけ聞いてもいいか?」


「…何だ?」


「もしもこの攻撃を乗り切った場合。次にお前はどうするつもりだ?」


「………。」



こちらの問いかけに対して三船は何も答えない。


やはり、これが限界なのだろうか?


三船を責めるつもりはないが、

これ以上戦う意味はなさそうに思えてきた。


正直に言えば炎をかき消すことも酸欠を回避することも簡単だからだ。


これ以上の攻撃が期待できないのであれば、

無理に最後まで付き合う必要はないだろう。



…様子見はここまでだな。



炎に包まれた結界の内部で第二の魔術を発動させる。



「エンジェル・ウイング」



魔術を展開した瞬間。


先ほどの試合と同様に神々しさを感じさせる光が満ち溢れ、

霧の内部にいる俺の背後に天使の翼が出現した。



「さあ、覚悟はいいか?」


「なっ…?何なんだっ、その翼は…っ!?」



状況がまだ把握できていないのだろう。


驚愕の表情を浮かべている。



「何をするつもりだっ!?」



何が起きるのかが分からずに慌てふためく三船に向けて、

右手を掲げてから宣告する。



「穿て(うがて)!!」



たった一言。


その直接に。


一対の翼が強烈な光を放って、三船の体を貫いた。



「ぐ、あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!???」



突然放たれた光に打ち抜かれた三船の体が軽々と試合場の隅にまで弾き飛ばされる。


そして試合場包み込む結界に激突して動きを止め、

試合場に崩れ落ちてそのまま動かなくなってしまった。



…終わりだな。



今回も逃げるどころか何が起きたのかすら判断出来なかっただろう。


試合場に倒れ込た三船は戦闘不能に陥っている。



「………。」



すでに意識を失っているようだ。


倒れた三船に立ち上がる気配はない。


そして試合中に何が起きたのか、

誰にも分からない様子だった。



「「「………。」」」



審判員すら動き出さない状況。


この光景を目にするのが二度目の翔子はまだかろうじて平静を保っていられるようだが、

審判員や周辺の生徒達は一様に驚愕の眼差しを俺に向けている。



「…な、何が…?」



驚き戸惑う審判員は判断に迷っている様子だった。


対戦相手が試合続行不能となった状況でも試合終了を宣言しなかったからな。



俺の攻撃は見えず、

一瞬で終わってしまったせいだろう。


戸惑うのも仕方がないとは思うが、

いつまでも待っている意味はない。


ひとまず結果を宣言させるために問いかけることにした。



「俺の勝ちだな?」


「え?あ、は、はい…。」



判断に迷う様子の審判員に確認を取ってみると、

ゆっくりと周囲に視線を彷徨わせてから震える声で試合終了を宣言し始めた。



「し、試合終了?勝者、天城総魔…!」



まだ試合内容を理解できないのだろう。


宣言自体が疑問形だったが、

それでも試合は終了した。


審判員の宣言を聞き届けたあとで試合場を離れる。


そのまま受付に戻って手続きを済ませてから会場を出ようとしたのだが、

その前に翔子が駆け寄ってきた。



「ねえねえ!今度は何をしたの!?」



またもや翔子の追求を受けて足止めされることになってしまう。



…ふう。



また質問か。



「少しは自分で考えたらどうだ?」


「だから、考えても分からないから聞いてるんでしょ!?」



分からないからと言って怒鳴られても困るのだが、

ここで説明を拒否すればいつまでもしつこく問い詰めてくるのは前回で理解しているからな。


今回は早々に答えておくことにした。



「今回も大した事はしていない。単純にエクスカリバーを発動しただけだ。ただし、その射撃速度は通常の十倍の早さを持っていたかもしれないがな。」


「へ?それってつまり、あの翼はエクスカリバーも使えるってこと?」


「そうなるな。俺の知っている魔術なら全て撃ち出せる。」


「そうなの?…っていうことは、もしかして全ての属性を持ってるの!?」



いや、それはどうだろうな。


持っているという表現は正しくない。



「全ての属性を習得したわけではないから断言はできないが、その可能性はあるだろうな。」


「それって、かなり凄い事なんじゃない?」



そうだろうか?


現時点ではまだ未完成だからな。


良いも悪いも判断しづらい。



「あくまでも実験途中の魔術だ。完成してみなければ判断出来ない。」


「…えぇ〜〜っ!?うそっ!?あれでまだ未完成なのっ!?」


「ああ、現状ではまだ魔術を発動出来る『程度』の能力しかないからな。俺が目的としているのはその先にある。」


「…その先、って何?」


「翼は攻撃の為にあるわけではない。…いや、正確にいえばそのつもりだったが、予定が変わったといった方がいいかもしれないな。」



少し前まではそのつもりだった。


だが、翔子と話をしたことで当初の予定は崩された。



「予定が変わったって、どういう事?」


「さっきの話を聞いて俺の求める形がはっきりと分かったからだ。おそらく今日中に翼は完成するだろう。そして明日には攻撃の為の力を手に入れられるはずだ。」



すでにきっかけは掴んでいる。


あとはどうやって力を手に入れるのか?


具体的な方法を考えるだけだ。



「攻撃の為の力って何なの?」


「お前が言っていたことだ。」


「…えっ?私?何か言ったっけ?」



………。



本気で言っているのだろうか?


それとも単に物覚えが悪いのだろうか?



「…お前が言っていたことだ。『武器として扱う力がある』とな。」


「…あっ!?ああ〜〜〜〜〜っ!!」



ようやく思い出したらしい。


自分から話しておきながら、

あっさりと忘れてしまうのはどうかと思うのだが、

思い出せたのならこれ以上の説明は必要ないだろう。



「ルーンね!!」


「正解だ」


「そう言えばそんな話をしたことをすっかり忘れてたわ。」


「…お前は何のために俺の監視しているんだ?」


「う…。そこを追求されると辛いかも…」



俺のルーンを確認する為に、

朝からずっと観察していたはずだ。


それなのに忘れてしまっていたらしい。



改めて翔子の人選には疑問を感じてしまう。



本当に監視役という自覚があるのだろうか?


これまでの行動を思い返す限り、

到底そうとは思えなかった。



「でも…そっか。そうなのよね…。」



…そう。



翔子も気付いただろう。



防御の要である霧の結界と、

魔術を自在に発動出来る翼。


そこに攻撃の要となるルーンが加わったとしたら?


俺の実力は翔子の想像を凌駕する位置にあるのではないだろうか?



そのことにようやく気が付いたらしい。



『攻』『防』『魔』



「3種の力を自在に発現出来るようになれば…」


「そ、そんなの異常よっ!」



呟いた俺の言葉を聞いて、

翔子は体を震わせていた。


ありえないと思っているようだな。


だがもしもその理想が実現できるとすれば、

翔子の想像を超えたと実証できるはずだ。



「で、でも…ちょっと見てみたいかも?」



恐怖だけではない興味を感じたらしい。


この時初めて思ったのかもしれないな。



…俺の実力が知りたい、と。


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