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THE WORLD  作者: SEASONS
4月7日
324/1354

噂の少女

「やっと見つけたわ」



探していた人物を発見したことで声をかけてみると。


私の呼び掛けに気付いた天城君は足を止めて振り返ってくれたわ。



「久しぶりだな。俺に何か用か?」


「ええ、そうよ。用があるから捜していたの。」



ようやく天城君に出会えたわけだけど。


彼の隣には見慣れない少女がいるわね。



見た感じ大人しそうだけど。


とっても可愛らしい女の子だとは思うわ。



リボンの色から判断して新入生なのは間違いないでしょうね。



彼と共に行動している新入生の美少女。



うん。


これは間違いないわね。



今ここにいる彼女が『噂の少女』だということはすぐにわかったわ。



すでに大悟から報告を受けているから、

名前と特徴くらいは覚えているのよ。



「少し話がしたいんだけど良いかしら?」



歩みを止めた二人に近付いてみると。



「………。」



噂の少女は人見知りをする性格なのかしら?


彼の後ろに隠れるように移動してしまったわ。



…あらあら。



怯えさせてしまったようね。



私としては怖がらせるつもりはないんだけど。


警戒されているのがはっきりと感じられるわ。



もしかして敵だとでも思われているのかしら?



特に嫌われるようなことをした覚えはないんだけど。


覚えてないだけで、何かしてたとか?



う~ん。


どうかしらね。



単純に他人と関わるのが苦手なだけだと思いたいんだけど。



…でもね~?



一応、私のことは知ってるはずよね?



天城君と同様に入学式を覚えてないって言うなら話は別だけど。


ちゃんと話を聞いていたなら、

私のことを覚えているはずなのよ。



とりあえずはその辺りから確認してみるべきかしら?



初対面の彼女にどう接していけばいいのかを考えながら。



一度、挨拶してみることにしたわ。



「こんばんわ。こうして話をするのは初めてだけど、私のことは覚えてるかしら?」


「え?あ、は、はいっ。あ、あの、理事長さん、ですよね?」


「そうそう。私は理事長なんだけど、そんなに緊張しなくてもいいわよ?ちょっと話があるだけだから」



理事長の権威けんいがどうとか、

年上をうやまいなさいとか、

そんなつまらないことで威張り散らすようなつもりは全くないわ。



だからそんなに警戒しないでもらえるかしら?



なんてね。


言いたいことは色々と思い浮かぶけれど。


何か言えば余計に怯えられてしまいそうで言いづらいわね。



今は、そっとしておくべきかしら?



あまり怯えさせないように微笑んでから、

まずは肝心の天城君と話し合うことにしたのよ。


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