美袋翔子
江利川との試合に勝利した後。
さらに次の会場である第6検定試験会場へと移動した。
「ここで、ようやく半分か。」
全12の会場の内の6つを終え、
後半戦となる会場に到達したことになる。
生徒番号自体はすでに半数を超えているのだが、
新たな会場にたどり着いたことで改めて実感してしまう。
…今日一日の成果としては十分すぎる結果だな。
実質的にはたった数時間だ。
半日にもならない時間でここまで来れている。
…だからこそ。
ここから先は今まで以上に気を引き締めるべきだろう。
霧の結界があるからといって油断するわけにはいかない。
まだまだ俺の知らない魔術は数多くあるはずだからな。
…連勝を重ねているからこそ慎重になるべきだ。
少し駆け足で進みすぎた気がするからな。
冷静になるためにも、
一度情報を集めたほうが良いかもしれない。
今回は試合を急がずに、
会場の入口周辺を見回してみる。
…これまでと同じであれば何処かにいるはずだ。
予想しながら探してみると、
目的の人物はすぐに見つけることができた。
これまでの会場と同じように。
ここでも会場の案内係の姿が確認出来た。
…少し話を聞いてみるか。
会場に入る前に入口付近にいる係員に話を聞いてみたところ。
ここは4000から4999番までの生徒達が集まる会場だと教えてくれた。
あくまでも数字上の話ではあるが、
生徒番号が5000よりも上の生徒は熟練者として扱われるらしい。
生徒総数はおよそ12000人。
その中で平均を超えた生徒達だからだろう。
5000の壁を超えた生徒達は実力も実績も十分にあるということだ。
だとすれば、もう少し警戒したほうが良いだろうか?
もっと詳しい話を聞いてみるのもいいかもしれない。
そのために受付に向かおうとしたのだが。
…何だ?
会場の入口から一人の少女が歩み寄ってくる姿が見えた。
…明らかに俺を見ているな。
だとすれば、単なる通りすがりではないだろう。
だが、少女の顔に見覚えはない。
間違いなく初対面のはずだ。
「やっほ~♪」
一目見てわかるほど機嫌の良さそうな笑顔だった。
やはり通りすがりではなく、
人違いで声をかけてきたわけでもないらしい。
だからこそ思うのだが。
全く面識がない相手からの友好的な態度は逆に疑わしく感じてしまう。
「…誰だ?」
「まあまあ、そんな怖い顔をしないでよ〜。」
少し警戒しながら足を止めたのだが、
少女は笑顔を崩さずに話しかけてくる。
「ちょっと話があるんだけど、少しだけ時間をもらってもいい?」
何らかの勧誘、というわけではないだろう。
会話が目的らしいが、
その言動は不審にしか思えない。
…あまり関わりたくないな。
そうは思うが、無視するわけにはいかないだろう。
…いや、言い直すべきか。
目の前の少女に対して思うことがある。
だから話を聞いてみる気になった。
…この気配は間違いない。
少女自身に見覚えはないが、
少女の持つ気配は知っている。
もっと正確に言うなら、
気配だけは知っていると表現するべきだろうな。
…どういう目的かは分からないが。
ついに接触してきたということだ。
目の前にいる少女がこれまでずっと隠れていた監視者なのは間違いない。
先程まで姿を隠していたにもかかわらず、
堂々と姿を見せたのは何か目的があるのだろうか?
…何者だ?
ざっと見て判断できることはそれほど多くはない。
少女自身に関して言えば身長は160センチ前後だろう。
俺と比べれば肩ぐらいまでしかないからな。
小柄というほどではないが可愛らしさは感じられる。
赤茶色のセミロングの髪に小さな白いリボンをくくり着けていて、
制服の上から白いセーターを着込んでいるのが特徴か。
勝手な推測だが、白色が好きなのかもしれない。
学年を示す制服のリボンの色は赤だ。
それが何年度なのかはわからないが、
今年と去年ではないのは間違いない。
下位の試験会場ではあまり見かけなかった色だからな。
少なくとも2年以上学園に在籍していると思われる。
年齢や実力も分からないが、
見た目だけで言えば顔立ちはいいほうだろう。
とても可愛らしい少女だとは思う。
あくまでも見た目は、だ。
性格までは分からない。
監視に関して聞くべきだろうか?
それとも気付いていないふりをするべきだろうか?
どちらが正しいのか現状では分からない。
だからまずは様子を見ることにした。
「俺に何か用か?」
当たり障りの無い問いかけをしてみる。
この状況では期待できないが、
人違いという可能性もあるからな。
出来れば関わりたくないという雰囲気を出しているのだが、
少女は小さく首をかしげてから少しだけ考えるような仕草を見せていた。
「…ん~。あのね。別に用があるってほどじゃないの。」
…ん?
用はないのか?
だとしたら。
何故、話し掛けてきたのだろうか?
「ただ、ちょっとだけあなたに話があるのよね〜。あ、でも、一応先に言っておくけど聞きたくないって言うなら無理にとは言わないわ。」
…なるほど。
聞かなくても良いらしい。
どうやら断る権利はあるようだ。
「…でもね。聞くくらいは聞いておいても損はないと思うのよね~。だから、ね。どうする?」
…どうする、と聞かれても困るのだが。
会話をする暇もないほど先を急いでいるわけではない。
少なくとも受付で情報を集めるつもりではいたからな。
話を聞く程度の時間はある。
…だからと言って。
怪しさしか感じられない人物に無理に付き合う必要はないのだが。
今まで姿を隠していたにもかかわらず、
わざわざ接触してきた理由は気になるからな。
まずはその理由を聞いてから判断しても遅くはないだろう。
「別に構わない。話くらいなら付き合おう」
「おぉ~!意外と物分かりがいいのね。絶対に拒否られると思ってたのに、もしかして私に一目惚れしちゃった?な~んてね。あはははははっ!」
………。
何が楽しいのかはわからないが、
一人で楽しそうにはしゃいでいる。
その態度だけを見れば明るく陽気な性格に思えるのだが、
判断するのはまだ早いだろう。
「言いたいことはそれだけか?」
「あ~、うん。全然関係ないわ。まあ、冗談は置いといて。さくっと本題に入った方がよさそうよね。」
こほんと小さく咳払いをしてから、
少し真面目な表情で話し始めた。
「最初にちゃんと謝っておいた方がいいかな?色々と事情があってね。今まであなたの試合を全て見させてもらっていたわ。」
…ほう。
隠し通すつもりかと思っていたが、
自分から正体を明かしてきたか。
「…って言っても、特別な理由で監視してた訳じゃないんだけどね。だけど、こっそり追いかけてたのは事実だから、そのことは先に謝っておくわね。」
どう見ても反省しているようには見えないが、
少女は笑顔を絶やす事なく何度も『ごめんごめん』と謝っている。
「そんな事はどうでもいい。それで何が目的だ?」
「う~ん。正直に言うと今のところ特に目的はないのよね。」
………。
どういうことだろうか?
意味が分からない。
目的もなく監視するということがあり得るのだろうか?
「だから…なんて言えば良いのかな?今後、目的ができる予定…っていう、感じなのかな?」
…今後だと?
質問に対して疑問を返されても困るのだが、
そもそも少女自身も監視の目的を理解していないらしい。
…余計に意味がわからなくなってきたな。
「…どういう意味だ?」
「どうって聞かれても、私がなにかするわけじゃないから上手く説明できないんだけど~。」
…私ではない、か。
つまり目の前にいる少女の意思ではなく、
誰かの指示で動いているということだ。
「私が言える範囲内で言うと『あなたって上の人達から結構、注目されてる』みたいなのよね。わかりやすく言えば期待の新人って感じかしら?」
…上の人物、か。
その言葉に微かな違和感を感じるが、
ひとまず追求は避けて大人しく話を聞く事にする。
「入学試験はね。一見簡単に見えるんだけど、本当はその人の力量を計る一種のものさしらしいの。」
それは当然だな。
そうでなければ試験の意味がない。
「…で、あなたって全科目1位でしょ?ようするに、入学試験を見た限りだとあなたの実力は完全に未知数ってことなのよ。」
…やはりそこか。
予想通り俺の実力に興味があるらしい。
だから試合を監視していたのだろう。
「珍しいことなのか?」
「珍しいというか、史上初らしいわよ?」
…ああ、なるほどな。
それなら監視がつく理由も頷ける。
ただでさえ正体不明の人物が学園の想定を超えた成績を出したとなれば、
誰がどう考えても怪しいからな。
逆の立場だとしたら、
俺でもその人物を警戒するだろう。
「…ということで、実際にあなたの試合をずっと見てきたわけなんだけど。たった一日でここまで順位を上げちゃうのって冗談抜きでかなり凄い事だと思うわ。」
そうかもしれないな。
自分でも順調すぎると思っていたところだ。
どう思われたとしても否定はできない。
「たぶん学園史上最速かもね。さすがに一日でここまで成績を上げた人なんていないと思うわ。」
最速記録かどうかは知らないが、
記録を競うために試合をしてるわけではないからな。
それ自体はどうでもいい話だ。
「まあ、『ホワイト・アウト』がなければここまで来れなかったかもしれないけれど、それでも事実としてあなたはここにいるわ。だから学園としても、あなたの存在は色々と話題になってるってわけ。」
…話題か。
学園側からすれば正体不明の存在だからな。
その動向を確認するために監視していたということらしい。
予想はしていたが、
やはりそれが理由のようだ。
個人情報の調査ではなく実力の確認。
そのために監視していたのであれば、
こちらから言うことは何もない。
「調べたければ勝手にすればいい。周りがどう思おうと興味はないからな。」
「…う~ん。それこそあなたがどう思うかなんてどうでもいいんだけどね〜。」
お互い様、とでも言いたいのだろうか?
「ただ、おそらく明日には…ちょっとした有名人扱いになってると思うわ。」
有名人?
どういう事だ?
「あなたに実感はないかもしれないけれど、学園始まって以来の偉業を達成しつつあるからよ。だから今後、多くの人達から注目されるのは間違いないでしょうね。」
…多くの注目か。
悪いがそれすらどうでもいい。
記録や偉業という言葉にも興味はない。
そんな事のために成績を上げているわけではないからな。
「他人の評価はどうでもいい。それよりも一つ質問していいか?」
「ん?何なに?私に恋人がいるかどうかとか?」
「いや、違う。」
「だったら、私の趣味とか?好きな食べ物とか?」
「興味はない。」
「ん~。残念だけど、女の子の秘密は教えてあげられないわよ?」
「………。」
楽しそうに微笑んではいるが、
無邪気にはしゃぎ続ける少女とはどうも話が噛み合わない気がする。
わざと会話を脱線させているのだろうか?
もしもそうでないとすれば、
あまり関わり合いになりたくない系統の相手だな。
「…何が言いたいのか知らないが、単刀直入に聞く。」
少女に伝わるように。
ゆっくりと。
静かな口調で尋ねる。
「さっき、上が注目していると言ったな?だとすれば、お前は一体『何番』だ?」
「あらら…。いいところに気が付いたわね。本当ならまだ自己紹介はしない予定だったんだけど。でもまあ、気付いちゃったんなら仕方ないかな?」
…自分のことは話さないつもりだったのか。
だからと言って文句を言うつもりはないが。
俺が問いかけたことによって、
少女は姿勢を正してから自己紹介を始めた。
「私の名前は美袋翔子。生徒番号は4番よ。今はまだ詳しく言えないけど、ある人に頼まれてあなたの様子を見に来たの。」
「頼まれた?」
「そ、そ、そ。まあ、それが誰なのかは心配しなくてもそのうちわかるけどね。」
「…教える気はないと言うことか?」
「1から100まで、教える義理はないもの。」
…なるほど。
思った以上に、良い性格をしているらしい。
あっさりと言い放った翔子は、
それ以上の追求を拒絶しているかのような態度を見せている。
この様子では何を聞いても無駄だろう。
どうあっても全てを話すつもりはないようだ。
まあ当然といえば当然だが、
べらべらと情報を漏洩するようでは監視役は務まらないからな。
これが当然の反応だろう。
「まあいい。それでもう用は済んだのか?」
「ん~。それが全然。困った事に肝心の用件が全く話せてないのよね~。」
…まだあるのか。
どう見ても困っているようには見えないが、
翔子としてはまだ話が進んでいないらしい。
「個人的にはのんびりしててもいいんだけど。あなたにはそんな気がないだろうから、これ以上話が脱線する前に本題をさくっと言っちゃうわね。今回、私はあなたに『助言』に来たの。」
…助言だと?
どういう意味だろうか。
監視役がわざわざ監視対象に何を伝えようと言うのだろうか。
「そのために正体を現したということか?」
「そそそ、という事で、とりあえず説明を始めるわね〜。」
何が楽しいのかは知らないが、
笑顔を崩さないまま言葉を続ける翔子は、
こちらの都合など一切気にせずに問答無用で説明を始めてしまった。
「この会場を含めた先。今よりも上を目指すのなら、多少の誤差はあるでしょうけど、大きく分けて3種類の力と戦う事になるわ。」
「…3種類?」
「ええ、そうよ。一つ目は最上級魔術ね。私の感じた範囲で言えば、ホワイト・アウトがあるからここは問題なく切り抜けられそうかな?」
これまで見てきた中で最も強力な魔術でも上級止まりだったからな。
その一段上となると警戒する必要はあるだろう。
もちろん霧の結界で防ぎ切るつもりではいるが、
実際にどうなるかはやってみなければわからない。
「…で、次が特殊魔術ね。これは1千をきる生徒なら誰でも使えると思った方がいいかもしれないわ。単純な攻撃じゃなくて、補助や強化に妨害系まで色々とあるから。」
…特殊魔術か。
それなら心当たりがある。
おそらく捕縛系も含まれるのだろう。
すでに一度経験しているからな。
厄介な魔術であることは理解しているつもりだ。
「誰がどういった魔術を使うかまで説明してると長くなるから省略するけど。ちょっとした裏技的な魔術もあるから、あなたのホワイト・アウトがどこまで通用するのか疑問を感じるところなのよね~。だからもしかすると、この辺りで手こずるかもしれないわ。」
…裏技か。
少し気になる発言だが、
具体的な説明を避ける以上説明する気はないのだろう。
どこまで勝ち続けられるかしらと言わんばかりの笑顔を浮かべながら、
『楽しみね♪』と付け加えていた。
「そして最後が魔法よ。全員ではないけれど、100番をきる生徒の一部は魔法使いになるわ。」
やはりそうか。
魔法を使える生徒がいるらしい。
「魔法に対して魔術では太刀打ちできないわ。まあ、そうね~。『今』のホワイト・アウトでは欠片も役に立たないでしょうね。」
…今の、か。
少し気になる言い方だな。
現時点ではまだ魔法の使い手と対戦していないが、
今のままでは通用しないらしい。
「つまり、お前も魔法が使えると言う事だな?」
「あ~、うん。否定はしないわ。だけど一言で魔法って言っても、その実力は絶対的に魔術を上回るという決まりはないのよね〜。」
…ん?
今の発言は気になるな。
「だから本当の意味で自由自在に魔法を使いこなせる人なんて、この学園にはいないかも…。」
どういう事だ?
魔法とは魔術の上位ではないのだろうか?
魔術の基礎さえ把握しきれていない現状でははっきりしたことは言えないが、
図書館で調べた限りでは魔術よりもより強力な能力が魔法だと記されていたように思う。
「魔法が魔術を下回ることがあるのか?」
「…う~ん。疑問に思う気持ちは分からなくもないけど、魔法は魔術以上に扱いが難しいのよね~。」
それはそうだろう。
術者の能力次第で効果が変化するのが魔法だからな。
魔術を究めた先にあるのが魔法のはずだ。
「だから魔法が使えても能力の低い人や、才能はあっても学力が追い付いてない人。もしくは魔法の発動による反動や余波に耐えきれる実力がないとか…。まぁ、色々と理由があるんだけどね。そういう理由があるから一概に魔法が強いとは言い切れないのよ。」
…なるほどな。
魔法自体は使えても、
その効果を最大限に発揮できる生徒はいないという意味か。
少なくとも現時点では様々な事情によって魔法を使いこなせる人物はいないらしい。
「だったらお前はどうなんだ?」
「私?私はそうねぇ~。学力が追い付いてないって感じかしら?…って、自分で言ってたら世話ないわよね〜。あははは…っ。」
再び話を脱線させながら、
はしゃぎ始めている。
どうやら聞けば聞くほど脱線してしまうらしい。
「結局、何が言いたいんだ?」
「あははは…。」
少し冷めた視線を向けてみると、
翔子は乾いた声で小さく笑ってからゆっくりと落ち着きを取り戻して話を再開させた。
「要するに、『油断は禁物』っていうことよ。そして『私達の所まで上り詰めるのは結構難しいわよ』っていうことと。『あなたは周りから注目されてるのよ』っていうことが言いたかったわけ。分かってくれた?」
…ああ、十分だ。
「言いたい事は理解した。」
あまり有意義な情報は手に入らなかったが、
全くの無駄だったわけではないからな。
最低限の情報を手に入れただけでも良かったと思うべきだ。
「…最後にもう一つだけ聞いておく。」
「ん?なになに?」
「この学園の1位にいる生徒は、どの程度の強さだ?」
「…う〜ん。」
1位の生徒の情報が少しでも手に入れば、
翔子と話した時間は有意義なものになると思うのだが。
「生徒番号1番か~。やっぱり気になるのね~」
うんうんと何度も頷きながら、
今までで一番の笑顔を見せた。
「彼は私よりもずっとずっと強いわよ。そうね~。ざっくり計算して私が4人いても勝てないんじゃないかしら?」
翔子の4倍の実力か。
今の発言からの推測でしかないが、
絶対的な存在として信頼しているようだな。
自分では絶対に勝てない相手だと宣言する翔子の笑顔は確実に俺を格下だと判断しているようにも思える。
なるほど。
今の俺では足元にも及ばないらしい。
その答えが明らかにされた。
だが、それと同時に判明したこともある。
「つまり、実力的にお前が5人いれば勝てるんだな?」
翔子と同程度の実力を持つ生徒が5人いれば勝てるということだ。
それはつまり『絶対に勝てない存在でもない』ということになる。
「どうかしら?それほどの実力を『あなた』が持てるかどうか、疑問だけどね~」
「たどり着くまでに、強くなればいい。」
自信を持って答えてみると、
翔子は楽しそうに笑っていた。
「良い言葉ね♪だったらその時を楽しみに待ってるわ。それじゃ、私の用は済んだから。ばいば〜い!」
言いたいことを全て言い切ったのだろう。
翔子は小さく手を振ってから、
背中を向けて立ち去っていく。
その後ろ姿を眺めながら改めて考えてみる。
…4番の美袋翔子か。
今の俺では手も足も出せないほど強力な魔力の持ち主だった。
どうやら予想以上に上位は難易度が高いらしい。
「強敵だな。」
一旦いなくなったとは言え、
監視という役目を持つ翔子が会場から出ていくとは思えないからな。
必ず会場内の何処かにはいるはずだ。
一時的に立ち去った翔子の背中を見送ってから、
今度こそ受付に向かうことにした。




