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THE WORLD  作者: SEASONS
4月7日
279/1378

対戦成績全戦全敗

「近藤悠理ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」



………。



背後からね。


私の名前を叫ぶ声が聞こえてきたの。



「ん?」


「…何?」



御堂先輩と美袋先輩は突然の出来事に驚いてる。



疑問を感じて振り返っていたけれど。


私は振り返って確認する必要もないわ。



…またなの?



聞き飽きた叫び声のせいでね。


激しくため息を吐くことになってしまったのよ。



…はぁ~~~~~~。



結局、今日もこの展開になるのね。



先輩達は何も知らないと思うけど。


私としてはこれが日常だったりするのよ。



あまり嬉しい話じゃないけどね。



「見付けたぞーーーっ!!」



鬱陶しいくらい勢いよく駆け寄ってくる男子。


この馬鹿だけは、

今この状況で最も係わり合いになりたくない相手だと思ってる。



「…メンドイ…。」



小さく呟いてみたけれど。


はた迷惑な男子は私の声を無視して目の前まで迫って来たのよ。



「近藤悠理ぃ!!!僕と勝負しろぉっ!!」



周りの状況なんて関係なく、

出会って早々に勝負を挑んでくるのよ?


本当に空気が読めない馬鹿だと思うわ。



だけど、ね。


この状況で無視することができないの。



検定試験会場の規定があるから。


試合を断ることができないのよ。



それが分かっているから、

しぶしぶ振り返って声の主に視線を向けてみたわ。



私の背後にいた人物。


それは、やっぱり。



「あんたよね…。」



とてつもない絶望感。


ただただ面倒臭いだけの男。



ある意味、ストーカーって言えるんじゃないかな?



今の生徒番号は12395番のはず。



でもね。


最初はね。


私より5つ上の番号だったのよ。


だから入学式当日に練習のつもりで試合を挑んだんだけど。


馬鹿に挑戦してしまったことが、

運の尽きだったのかもしれないわ。



試合自体はあっさりと勝てちゃったんだけど。


それ以降、毎日のように付きまとわれているのよ。



…困ったことに、毎日なのよ。



まあ、私に敗北してからもね。


あれよあれよと言う間に負け続けて、

最下位にまで落ち込んだ男子なの。



この馬鹿の名前は武藤慎吾(むとうしんご)



私の最初の対戦相手だったけど。


今では戦う必要さえない雑魚だと思っているわ。



だってね。



天城総魔と美袋先輩と御堂先輩の3人が降格するまでずっと最下位として君臨し続けていたのがこの馬鹿なのよ?



私に負けたその日からも、

毎日のように私に挑んでは敗北を続けているわ。



その結果。



対戦成績は私の6戦6勝0敗0引き分けで無敗。



なのに。


今日も馬鹿は試合を挑んで来たのよ。



今日も負ければ連続一週間敗北記録が達成されるだけなのに、

それでも諦めるつもりはないみたい。



「…って言うか、誰なの?」



…ホントに、この馬鹿はなんなの?



私だって迷惑してるのよ。


そのせいで戸惑う翔子先輩に説明する気力すら沸かないんだけど。


無視し続けられるわけじゃないから、

ため息混じりに答えることにしたわ。



「この馬鹿の名前は武藤慎吾むとうしんごで、先輩達が降格するまで最下位だった男です。」



それが事実なのにね。



「今は違う!!」



私の説明を聞いていた馬鹿が即座に訂正して来たわ。



「最下位じゃないぞ!」



…はあ?



当然でしょっ!


先輩達が降格してきたんだから。


対戦成績全戦全敗のあんたが順位を上げてもらっただけでも感謝しなさいっての。



「え~っと…どうすればいいのかな?」


「…って言うか、だから何なの?」



怒り心頭に接近してきた馬鹿に対して、

どう対処していいか分からずに戸惑う先輩達。



だけどね?


むしろ私の方が助けてほしいです。



誰でもいから。


この馬鹿をどこか遠くへ連れていってくれないかな?



そんな私の心からの願いも虚しく。


馬鹿が消え去る様子は一切なかったわ。



「勝負しろ!!!」



試合を望む馬鹿が手続きをしてしまうせいで、

格下からの指名権によって今日も私は馬鹿の相手をしなくちゃいけなくなってしまったのよ。



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