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殺気?
《サイド:深海優奈》
…えっと~。
…その~。
どうしてなのでしょうか?
何故かとても重い空気を感じてしまいます。
その理由はわかりませんが。
総魔さんの隣に座っている美袋先輩が怖いからです。
…あ、いえ。
怖いという言い方は失礼ですよね?
そうじゃなくて。
…その~。
上手くは言えませんが、
先輩の視線からは『殺気?』のようなものを感じてしまうんです。
…あっ、でも。
怒っているようには見えないんです。
表情は笑顔なんです。
それなのに。
笑顔を浮かべているはずの先輩の瞳からは、
何故か威圧感のようなものを感じてしまうんです。
私は何かいけないことをしてしまったのでしょうか?
それとも情けない私の姿を見て本当は怒っているのでしょうか?
…わかりません。
そしてそれを確認する勇気もありません。
怒られるのは苦手だからです。
ですから。
先輩の視線から逃げるように、
総魔さんの瞳を見つめてみました。
総魔さんは怒っているように見えません。
むしろ温かく見守ってくれているような、
そんな気がします。
だからでしょうか?
ただ見つめ合うだけで、
心が穏やかになれるような気がしました。
今はこのままのほうが良いかもしれません。
美袋先輩に視線を向けるのは怖いので…。
ひとまず総魔さんが話をしてくれるまで、
じっと待つことにしました。




