人見知り
《サイド:深海優奈》
あうぅぅ~。
私はどうすればいいのでしょうか?
悠理ちゃんに背中を押されてしまったのですが、
どうすればいいのか分かりません。
いつも以上に緊張してしまって、
目の前にいる天城総魔さんに視線を向けることさえ上手く出来ませんでした。
もちろん怖いとかそういう理由ではないのですが、
ただなんとなく場違いな気がしてしまうからです。
ここにいることさえ不自然な気がしてしまって、
自分がどうしたいのかも分からなくなるほどでした。
「あ、あの…っ。」
………。
話し掛けようとしても、
上手く言葉がまとまりません。
知らない人と話をするのは苦手なんです。
対人恐怖症というほどではありませんが、
初めて出会う人には必要以上に身構えてしまうんです。
こういう性格を人見知りというのでしょうか?
自分で自分が嫌になってしまいそうです。
それでも性格は変われませんので、
そのまま何も言えなくなってしまいました。
…うぅ~。
…悠理ちゃん。
助けてほしくて後ろにいる悠理ちゃんに振り向いてみたのですが。
悠理ちゃんは小さな声で『頑張れ!』って応援してくれるだけでした。
やっぱり私の代わりに話を聞いてくれるということはなさそうです。
…はぅぅぅ。
困りました。
どうすれば良いんでしょうか?
自分でも戸惑ってばかりだと思います。
それでもどうしていいのかが分からないんです。
「そ、その…。」
もう一度振り返ってみると。
総魔さんは真剣な表情で私を見ていました。
交わる視線。
吸い込まれてしまいそうな総魔さんの瞳を見つめるだけで、
何故か私の中の不安が消えていく気がしました。
不思議と少しずつ心が落ち着いていくような、
そんな気がしたんです。
どうしてなのかは分かりません。
…だけど今なら。
今ならちゃんと向き合えるような。
そんな気がしました。
「あ、あの…!」
今度はちゃんと言葉に出来ます。
「教えてください。私の力が何なのかを…」
きちんとお願いをした瞬間に。
「ああ。」
ほんの少しだけですが。
彼が…総魔さんが微笑んでくれたように見えたんです。




