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THE WORLD  作者: SEASONS
4月7日
271/1390

近藤悠理

《サイド:近藤こんどう悠理ゆうり



優奈の能力が吸収?



本当にそんな能力が存在するのかどうかは知らないけど。


先輩達がそう判断しているのなら、

それが事実なのかも知れないわね。



…だけどさあ。



吸収って何なの?



どういう能力なのかが分からないのよね~。



…う~ん。



もっと詳しく聞いたほうがいいのかな?



後ろにいる優奈は不安げにおろおろとしてるだけだし。


ここで優奈に任せていたら話が進まないと思うのよ。



だからやっぱり。


ここは私が話を進めたほうが良いのかな?



答えてもらえるかどうかは知らないけど。



一応、聞いてみようかな?



「…あ、あの…さ。」



話しかけてみたことで、

全員の視線が私に集まってしまったわ。



…って、うわぁ。



冷静になって考えてみると、

これは結構危険な状況な気がしてくるわね。



仮にも先輩だし。


学園でも最高位の3人なのよ。



その人達に話し掛けてるわけよね?



そう考えると、じわじわと緊張感が込み上げて来るわ。



…だけどね。



ここで会話を諦めるわけにはいかないのよ。



優奈の為に!



心の中で気合いを入れて、

話を続けることにしたわ。



「えっと。一応、自己紹介しておくわね。私の名前は近藤悠理(こんどうゆうり)で、後ろにいるのが深海優奈ふかみゆうなよ。」


「近藤?…と言うことは、もしかして…」



改めて自己紹介してみたら、

御堂先輩が話し掛けてきたの。



「あ~、うん。まあ、そうなんだけど…知ってるの?」


「やっぱりそうなのかい?」


「ええ。一応ね。」



頷いた私を美袋先輩が不思議そうに眺めてる。



「えっと…。何なの?」


「学園長の孫、ということだよ。」



私が答えるよりも先に、

御堂先輩が答えてくれたわ。



「えっ?そうなの?」


「うん、そう。学園長は私のおじいちゃんよ。」



自慢気味に言いきったわ。


だからって特別扱いしてもらえるほど甘い学園じゃないんだけどね。



そもそも私は…って、そんなことはどうでもいいんだけど。


とにかく自己紹介は終わったんだから、

次は話を聞かないといけないのよ。



「で、聞きたいんだけど、吸収って具体的にどんな能力なの?」


「どんな…って聞かれてもね~。」



尋ねる私を見ていた翔子先輩が天城総魔に視線を向けたわ。


そして視線で何かを訴えてる。



…相談なのかな?



それとも彼に話を聞けっていう意味なのかな?



どっちの意味か分からないけど。


どっちにしても天城総魔は先輩じゃないから敬語なんて使わないわよ。



同じ新入生だってことくらいは知ってるしね。



…っていうか。



よくよく見れば間違いないわ!


入学式で私の隣にいたのよ!



だけど。


ほとんど目をつぶっていて、

式の話を全く聞いていなかった男でもあるわ。



あの時は大して気にしてなかったけど。


今思い出せば、私は一度彼に会ってるみたい。



お互いに話し掛けた覚えはないから顔見知りとも言えないけれど。


そういう人もいるんだな~って思って放置してたから何となく覚えてる。



当然向こうからすれば、

私のことなんて全く記憶にないでしょうけどね。


それでも視線を向けたことで自然と目が合ってしまったわ。


そしてその瞬間に彼が口を開いたのよ。



「知りたいのなら話しても良いが、本人が聞かなくては意味がないだろう?」



…本人?



あ~、うん。


まあね。



指摘されてすぐに自然と頷いていたわ。


当然のことだと思ったからよ。



…でもね~?



優奈はいまだに戸惑ったままみたいなのよね~。



まともに話が出来るのかな?



疑問を感じるけれど。


ひとまず優奈に歩み寄ってみることにしたの。



「あの人が優奈のことを教えてくれるってさ。聞いてみたら?」


「…う、うん。」



不安げに歩みを進める優奈は思いっきり緊張してるわね。



ホントに大丈夫なのかな〜?



とてつもなく不安になるわ。



けれど。


こうする以外に方法はないのよ。



私が話を聞いても意味がないから。



ここから先は優奈次第よ!



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