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THE WORLD  作者: SEASONS
4月6日
258/1378

永遠の野望

《サイド:美袋翔子》



さてさて〜♪



なんだかんだで午後8時になりそうな時間に今日も沙織のお家にたどり着いたわ。



ここへ来る理由はもちろん一つ!!


成美ちゃんに会えるからよ!



考えるだけで楽しくなってくるのよね~♪


あぁ、成美ちゃん、どうしてるのかな~?



ここに来るといつもいつも頭の中が成美ちゃんで一杯になっちゃうわ。



総魔と離れた寂しさを忘れちゃうくらい、

成美ちゃんに会える事が楽しみで楽しみで仕方がないのよ。



成美ちゃん。成美ちゃん!成美ちゃん♪


成美ちゃん。成美ちゃん!成美ちゃん♪



…あぁ~!


…もう~!!



成美ちゃんが好きすぎて待ち遠しいわね。


今すぐにでも成美ちゃんを抱きしめたくて両手がうずうずしてくるのよ。



早く~。


早く~!


成美ちゃんを抱きしめさせて~!!



なんて。



ちょっとした禁断症状さえ感じてる間にね。


先行する沙織が玄関の扉を開けてくれたのよ。



「ただいま」



玄関を開けて中に入っていく沙織。


そのすぐ後ろから玄関を覗き込んでみると、

家の中から明るい声が聞こえくるのよ。



「おかえりなさ〜い!」



聞き慣れた成美ちゃんの声が玄関まで届いてきたわ。


まあ、いつも通りだからあまり大きな声とは言えないけどね。



それでも私と沙織には確かに聞こえたの。



成美ちゃんの声を。


私達は絶対に聞き漏らさないわ。



どうしてって?



成美ちゃんの声が聞きたいからに決まってるでしょ!!



ただそれだけなのよ!


だって、大好きなんだもん。



当然でしょ?



危なっかしい足取りだけど、

それでもしっかりと前に進もうとする成美ちゃんの可愛らしい声が私達にはちゃんと聞こえるの。



幻聴じゃないわよ?


ちゃんと聞こえるの!



だから私は笑顔になれるのよ。



今日も成美ちゃんに会えたから。


今日も成美ちゃんの声が聞けたから。



それだけで私は幸せを感じられるの♪



いつものように杖を支えにしながら、

ゆっくりと歩みを進める成美ちゃんの姿を見ているだけでね。



私の心は幸せで一杯になるの。



目の見えない成美ちゃんが、

私達に向かって歩いてくれてるのよ?



これ以上の喜びなんて他にあると思う?



私ならね。


他には無いって思えるくらいにね。


成美ちゃんの気持ちが嬉しくて、

心地よく感じるのよ!



「ただいま〜!成美ちゃん」


「あっ!翔子さん!!おかえりなさいっ」



精一杯の笑顔を浮かべてくれる成美ちゃんの嬉しそうな表情が見れただけで、

今日一日の疲れなんて全部吹き飛んでいくわ。


それくらい幸せに思えるのよ。



本当にもう、ね。


ただただ最高の笑顔に見えるのよ。



「成美ちゃんは今日も元気ね~。」


「えへへへ~。そうですよ。翔子さんが来てくれるのをずっと待ってたんです。だから、一緒にご飯を食べてください。」


「あははは、私が来るのを待っててくれたの?」


「はい♪」



…ううううう〜。



なんて可愛いの!?



即答してくれる成美ちゃんを見ているだけで、

心の中に暖かい気持ちが広がっていくわ。



やっぱり妹っていいなって思うのよ。



あああああああああああああ~〜〜!!!



妹が欲しい!



…ううん。



成美ちゃんが欲しいの!!



わりと本気でね。


心の底からそう思うわ。



「それじゃあ、お言葉に甘えようかな〜」



成美ちゃんの体に手を伸ばして軽く抱きしめてみる。


ただそれだけで成美ちゃんの温もりが伝わってきちゃう。



…はあ。



幸せすぎる~。



…って。


…ん?



くんくんくん。



「なんだか良い匂いがするわね。成美ちゃんお風呂に入った?」


「あ、はい。ついさっき…」



あ~。


やっぱりね。



「何だか癒されるかも~」



少し力を込めて、ギュッと抱きしめる。


それだけで成美ちゃんは恥ずかしそうに顔を赤く染めてしまったわ。



…やりすぎたかな?



そう思ったから、

成美ちゃんから手を離したの。



「ごめん、ごめん。痛かった?」


「い、いえ、大丈夫です…っ。」



照れた表情を見せる成美ちゃんが可愛くて。



可愛くて。


可愛くて!


可愛いくて!!



もう一度抱きしめたくなっちゃうけれど。



「………。」



隣にいる沙織の視線がちょっぴり痛かったから諦めたわ。


妹で遊ぶんじゃない!って言いたそうな、

そんな視線なのよ。



怒ってる訳じゃないと思うけれど。


玄関でじゃれてる場合でもなさそうね。



早く上がれと言わんばかりの視線を浴びて、

大人しく食卓に向かうことにしたのよ。



まあ、沙織はそんな言い方はしないんだけどね。



…たぶん。



しないはず。



…しないよね?



むしろ。



…そんな目で見ないで…。



なんて。


ちょっと焦ったりもするんだけど。



沙織としては少しでも成美ちゃんの負担を減らす為に、

出来るだけ早く休めるところへ行きたいんだと思う。



たぶんだけどね。



でも、沙織のこういう仕種を見ていると、

お姉ちゃんなんだな~って思うわ。



やっぱり姉妹っていいわよね。



沙織と成美ちゃんを見ているといつも思うの。



羨ましいな~ってね。



いっそ、この家の娘になりたい!って思うことも多々あるわ。



それぐらい羨ましいのよ。



…あ、でもね、でもね。



だからって別に私の家に不満なんてないわよ?



ちゃんと自分の家にも時々帰ってるし。


両親と過ごす時間もそれなりに幸せだと思ってる。



でもね。


それでもね!



成美ちゃんのような妹が欲しいっ!!!って思っちゃうの。



その気持ちがある限り。


私は毎日ここに来るわ!



そしてたった一つの小さな願いを叶えるの。



私の永遠の野望。



それは本当にささやかな願いよ。


だけどね。



本気で願っている想いがあるの!



…いつの日にか。



一度だけでいいから。


成美ちゃんにね。



翔子さん、じゃなくて。



お姉ちゃんって呼ばれたいのっ!!!!!!



ただそれだけの願いなのよ。


だけどこれは単純に言わせるだけじゃダメなのよ。



成美ちゃん自身にね。


心から言ってもらいたいの。



『翔子お姉ちゃん』ってね。



…うわあああああああああああああ~〜!?



考えるだけで身悶えるわね。


だけど本気で願っているのよ。



だからその日が来るまで。



私は!


絶対に!



諦めないわっ!!!



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