来客
《サイド:御堂龍馬》
なにげなく窓の外に視線を向けてみる。
外の景色はすでに夕焼けだ。
徐々に日が沈んで暗くなりつつあった。
「…もうこんな時間なのか。」
時計を見てみると。
すでに午後6時を過ぎているようだ。
そろそろ帰ろうかな?
適当に荷物を片付けてから立ち上がる。
そして出口に向かおうとすると、
『コンコン』と小さく扉を叩く音が聞こえてきたんだ。
誰かが入口の向こう側にいるらしい。
こんな時間に誰だろう?
思い浮かぶ人物がいなくて疑問を感じてしまうけれど。
そもそもここは部外者立入禁止の場所だ。
ここに訪れる人物は限られている。
だけど沙織と翔子ではないだろうね。
おそらく二人は今日も家に帰る頃だろうからここに来るとは思えない。
それに真哉も違うはずだ。
まだ眠っているはずだし、
目覚めて行動しているとは思えない。
…と言うか。
真哉ならノックなんてしないだろうし、
遠慮なく入ってくるはずだからね。
だとすれば特風の誰かが僕達を探しに来たんだろうか?
でもそれなら呼びかけてくれるだろうし、
黙って待つ意味はないと思う。
まさか彼が来た…なんてことはないだろうし。
一体、誰だろう?
誰が来たのかを推測しながら、
入口に近付いてゆっくり扉を開けてみる。
扉の前にいたのは笑顔を見せる一人の女性だった。
「やっぱり、ここにいたわね。」
声をかけてきたのは理事長だ。
「理事長?どうしてここに?」
「昨日の件に関して一通りの報告が上がってきたから、貴方にも話をしておこうと思って探していたのよ。」
ああ、なるほど。
理事長は僕を探していたらしい。
昨日の件に関する報告ということは、
試合に関する話かな?
「何か予定でもある?急ぐのなら私は帰るけど?」
「あ、いえ。特には何もありません。」
「そう?じゃあ、話をさせてもらっていいかしら?」
「はい。お願いします」
道をあけて理事長を室内に通すことにした。




