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THE WORLD  作者: SEASONS
4月6日
250/1390

リボンの色

…うんうん。



やっぱりそうなるわよね。



何だかんだで見慣れた景色と歩き慣れた道。


気が付けば、いつもの場所にたどり着いていたわ。



「…で、結局、ここに来るわけね〜。」


「ルーンに関する研究は後回しにするしかないからな。まずは特性に関する情報を集めておいた方が今後の役に立つはずだ。」



あ~、うん。


まあ、ね~?



確かに今の私と総魔はそこから始めなくちゃいけないと思うのよ。


それは分かってるの。



ある程度の方向性が見えてる龍馬とは違って、

私と総魔の特性は全くの未知数だから。



大体、こんな感じかな~?



なんて思えるような情報さえないわけだしね。



そんな状況だから。


情報を集めるために図書館に来るのは当然かもしれないわ。



それは分かるんだけどね。



…まあ、また研究所に行くって言い出さなかっただけまだマシかな?



さすがに往復するには遠すぎるのよ。


だから図書館なら近場だから文句はないんだけど。



…ないんだけど。



単純にね。


個人的にね。



一日中、読書に費やすのは辛いのよ!



会議室はまだ良かったの。


むしろ二人きりだったから勉強がどうこうよりも幸せが勝ってたんだけど。



図書館はさすがにね。


そういうわけにはいかないわよね?



どう考えても勉強をするところなんだから。


大量の本と向き合わなきゃいけないのよ。



…はぁぁぁぁぁぁぁ。



ため息が止まらないわ。



調査と言う名の地獄が始まってしまうのよ。



…うぅぅ。


…勉強は嫌なの〜!



…に〜が〜て〜な〜の〜!!!



もう、ね。



難しいことは分からないのよ!



…総魔が一緒だから頑張るけどね。



そうじゃなかったら全力で逃げ出してる自信があるわ。



…はあ。



ちょっぴり憂鬱だけど。


来ちゃった以上は仕方がないわよね。



「それじゃあ、今日は特性関係を調べれば良いの?」


「そうだな。それもあるが確認された能力がどの程度あるのかも今後の参考にはなるだろう。」


「まあ、そうね。じゃあ、その辺を中心にして調べていこっか。」


「ああ」



短い打ち合わせを終えて総魔と一緒に図書館に入ってみる。



…だけど、ね?



図書館ってわりと本気で広いのよ。


どこに何があるのかなんて、

さすがの私も全然把握してないわ。



「どこから調べれば良いのかな~?」



基本的に勉強は苦手だから、

どこを探せばいいのかが分からないのよ。



…はぁぁぁ。



この中から必要な本を探さいといけないのよね?



軽く10万冊はありそうな図書館で、

必要な本を探すとなると。


それだけで疲れそうな気がするわ。



…ここから、どこを、どう探すの?



結構、本気で悩んじゃうんだけど。



「職員に聞けば良いだろう?」



総魔があっさりと答えてくれたのよ。



…あ~!



そっか!


それもそうよね。



…って言うか。



最初からそうすれば良かったのよね。



「それじゃあ、聞いてくるわね~」



怒られない程度に急ぎ足で進んでみる。


そして受付で図書委員から話を聞いて本棚の位置を確認したわ。



聞いた感じだと普段総魔が調べてたような学生用の魔導書とは違って、

能力関係の本は図書室の奥の方に保管されてるみたい。



分類的には研究資料に該当するみたいで、

専門分野の区画に保管されてるって教えてもらったのよ。



…まあ、それさえ分かれば十分かな。



だいたいの位置は教えてもらったから、

あとは実際に行ってみて調べるしかないわね。



「ありがと~!」



受付でお礼を言ってから、総魔の側に戻ってみる。



「資料は奥の方にあるみたいよ。」


「そうか。」


「うん!」



ゆっくりと歩みを進める総魔のあとを追って、

私も歩きだそうとしたんだけどね。



その前に。



ふと、何気なくね。


意識してたわけじゃないんだけど。


自然と視線がそっちに向いて、

いつも総魔が座っていた席を見てしまったの。



もちろんそこに総魔はいないわ。


私の目の前にいるわけだしね。



いつもの席に総魔はいないんだけど。


だけど今日は先客がいるみたい。



見慣れたテーブルを囲むように座っているのは二人の生徒。



総魔が座る席と、私が邪魔してた席ね。


その場所にいたのは全く知らない二人の女の子だったわ。



たぶん。


総魔と同じで今年の新入生じゃないかな~?



制服のリボンを見れば年度が分かるからよ。


今年のリボンはピンク色で、

去年のリボンは黄色のはず。



そして私は2年前の赤色で、

その前は確か紺色だったかな?


それ以前もあるけど、

そこまで長くいる生徒はほとんどいないわね。


大体、長くても4年くらいだから、

ずっと学園にいる生徒は結構珍しいのよ。


ほとんどの場合は成長する可能性なしって判断して見切りを付けて辞めていくの。


もちろんちゃんと卒業していく生徒も沢山いるけどね。



…まあ、それは良いんだけど。



余計なことを考えながらも彼女達を眺めてみる。


長い亜麻色の髪をかるく結ってる女の子は明らかな年下ね。


私よりも小柄で笑顔がすごく可愛らしいわ。


沙織と成美ちゃんを足して2で割った感じ?


おしとやかというか、

謙虚というか、

大人しそうな雰囲気だけど。


遠目で見ていてもかなり可愛いと思うわ。



その隣に座ってるのはポニーテールの可愛らしい女の子。


こっちはまあ、あれね。


理事長と西園寺さんの間って感じかしら?


もしくは10年くらい前の二人って感じ?


ハキハキしてるというか、

物怖じしなさそうな感じなのよ。



まあ、見た目と雰囲気だけで判断してるから、

実際にどうかは知らないけどね。



たぶん二人共年下でしょうね。


成美ちゃんと同じくらいじゃないかな?



だとしたら15歳か16歳かな?


どちらも間違いなく可愛いと思うわ。



まぁ、負けるつもりはないけどね!



なんてくだらないことを考えてる間に、

総魔とはぐれそうになってたみたい。



…あ~!


…も〜!!



置いていかないでよ~。



急いで駆け寄ってみる。


周囲の冷たい視線も気にせずに急いで総魔を追い掛けたわ。


だから、かな。



「どうした?」



総魔が不思議そうに私を見つめてた。



「ううん。なんでもないの」



総魔の席に女の子が座ってたのが気になったなんて言えないしね。


呼吸を整えてから、今度はちゃんと総魔の隣を歩くことにしたわ。


そんな私を追求する様子もないまま、総魔は奥へと進んでく。


そうして結構な距離を進んだことで、

ようやく研究資料の置いてある一画へとたどり着いたのよ。



「それじゃあ、始めよっか?」


「ああ」



二人で手分けして本棚を眺めてみる。


研究記録の題名を眺めながら、

役立ちそうなものがないかゆっくりと本棚を調べていったのよ。



探すべき項目は特性と能力。


それに関する研究記録よ。


他には誰もいない図書館の奥で、

総魔と資料を集めてテーブルの上に積み上げてく。



そうして。



30分くらい過ぎた頃には、

テーブルの上には50冊を超える研究記録が積み上げられていたわ。



「さすがにもう良いんじゃない?」



ありすぎても読むのが大変だし。


あとで片づけるのも面倒だしね。


もう十分だと思って総魔に尋ねてみたら、

総魔も満足したみたいで大きく頷いてから席についたわ。



もちろん即座に腰を下ろして総魔の隣を確保するのは忘れないわよ。



これだけは譲れないの。


総魔と二人きりの空間で隣同士。



うんうん♪


嬉しいけど。


やっぱり恥ずかしいわね。



勝手に高まる心臓の鼓動を必死に押さえようとしてみるけれど。


深呼吸をしたくらいじゃどうにもならなかったわ。



だから気持ちを切り替えるために、

研究資料に手を伸ばしてみることにしたのよ。



「…結構、時間がかかりそうよね?」


「そうだな。だが時間はあるからな。ゆっくり調べればいい。」


「う、うん。そう、よね…。」



何故か顔が赤くなっちゃた。


もしかしなくても。


この状況って自分が思っている以上に危険なのかもしれないわ。



緊張以上に恥ずかしさが込み上げてきちゃうからよ。


こうしていられることが幸せ過ぎて、

なんだかもう落ち着かない気持ちで一杯だったの。



このまま時間が止まれば良いのに。


なんて思う自分が余計に恥ずかしいかも。



研究資料よりも総魔のことが気になって仕方がないのよ。



でも、ね?



今はね。


総魔の役に立つ為に余計な考えを捨てて、

一心不乱に調べ物を進めるべきなのよ。



役に立たないって思われるどころか、

やる気がないなんて思われるわけにはいかないの!



だからちゃんと結果を出さなきゃいけないのよ。



そのために全力で資料へと視線を向けてみる。



…勉強が苦手なんて言ってられないわ!



総魔の役に立つ為に!



甘い誘惑なんかに!



負けてられないのよっ!!



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