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THE WORLD  作者: SEASONS
4月6日
248/1378

きっと

《サイド:常盤沙織》



「行っちゃったわね」


「ああ、そうだね」



翔子と彼が出て行くのを見送ってから、

龍馬に振り返りました。



「龍馬はどうするの?」


「うーん、そうだね。少し考えを整理したいかな?だからもうしばらくここにいるよ。」


「そう。」



龍馬なりに色々と考えたいことがあるようですね。


だとしたら。


私もいないほうが良いのかもしれません。



「それじゃあ、私は行くわね。そろそろ研究所に戻らないといけないから。」


「ああ、ごめんね。沙織も色々と忙しいだろうし、僕達のせいで迷惑をかけることもあるかもしれないけれど、だけど僕も頑張るから、だから…だからもう少しだけ、時間をくれないかな?」



………。



やっぱり、落ち込んでいるようですね。


控えめに願う龍馬に、

今は微笑みを返すことしか出来ませんでした。



「大丈夫よ、龍馬。今までずっと忙しかったんだから。少しくらい休憩しても誰も怒ったりなんてしないわ。」



好きなだけ休めばいいと思います。


急ぐ必要なんてないと思うのです。



「だから今だけでもゆっくり休んだ方がいいと思う。きっとそれが、あなたの為だと思うから。」



龍馬が望むのなら、

時間くらい稼いで見せます。



例え今この瞬間に何が起こったとしても。


そして誰がどこで何を言ったとしても。



龍馬が望むのなら、

私は私の役目を果たして見せます。



それが私の役目だと信じているからです。



「大丈夫よ。」



声をかけてから、

龍馬に背中を向けて歩きだしました。



あまり長く龍馬の傍にいると涙が出てしまいそうだったからです。



「…頑張ってね、龍馬。」



ささやかな想いだけを残して、

私も休憩室を後にしました。



残された龍馬がどんな顔をしていたのかは、

私にも分かりません。



ですがきっと。


笑ってはいなかったと思います。



…きっと…。


…きっと…。



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