際限なく
少しずつ近付いていく距離。
光に気づいてから2、3分ほどで二人の前にたどり着きました。
「お待たせしました。」
「ううん。別に待たされたわけじゃないから、気にしなくていいわよ~」
「ふふっ、ありがとう。」
明るく出迎えてくれた翔子に微笑んでから、
彼にも話しかけることにしました。
「先ほどの魔術は…」
「明かりを灯す魔術を改良しただけだ。」
質問をする前に答えてくれました。
すごく簡潔な答えですね。
それでもその一言だけで魔術の理論も理解できました。
際限なく数多くある魔術の形の一つということです。
ただ周囲を照らすのではなく、
直線を形作ったのだと思います。
ただそれだけの魔術です。
それでも実際に考えて臨機応変に使いこなせるというのは、
それだけで一つの才能と言えるのではないでしょうか。
「私も覚えておきます。」
新たな魔術を記憶に留めつつ。
彼に対しても一礼しました。
そしてすぐに二人が持っているものに視線を向けてから道を譲ることにしました。
「私も注文を終えたら合流しますので、お先にどうぞ。」
「ああ。」
合流することを伝えると。
彼は小さく頷いてから空いている席へと歩きだしました。
「待ってるからね~!」
翔子も彼の後を追って歩きだします。
そんな二人の背中を見送ってから、
私は別の方角へと歩きだしました。
いつものサンドイッチと紅茶のセットを注文するためです。
…ひとまず。
天城君と翔子の二人に合流するという目的は意外と簡単に果たせそうでした。
だとしたら。
残る問題はもう一人との合流ですね。




