書類の山
《サイド:米倉美由紀》
…はぁ。
「結局、ゆっくりとは休めなかったわね。」
早朝の理事長室。
もう夜は明けたというのに。
私はまだ書類仕事に追われている途中なのよ。
時刻は7時を過ぎたばかり。
だけど私の仕事は終わらないの。
彼等の手続きの為に、
昨日の夜からずっと仕事を続けているのよ。
だからもうすでに、
かるく12時間以上は座り続けているでしょうね。
何だかもうね。
ただただ、お尻が痛いわ。
延々と座ってるのって苦手なのよ。
だけどそれ以前に右手が痛いわ。
手首というか指先というか。
ペンを持つ手が震えてしまって、
腱鞘炎になりそうな勢いなのよ。
長時間の事務作業って精神的にも肉体的にもきついわね。
…でもね?
まだまだ終わらないの。
ため息が出るほど大量に積み上げられた書類の山が仕事の多さを物語っているわ。
天城総魔達が降格したことで、
学園に在籍している生徒全員の番号を入れ替えなくてはいけなくなってしまったからよ。
『総数1万2千人を越える生徒達』
その全員の番号を『3つ』底上げしなくてはいけないの。
本来なら事務員に任せれば済む仕事なんだけど。
今回に関しては自ら望んで仕事を引き受けたわ。
天城総魔と御堂龍馬と美袋翔子。
3人が降格したのは私がそう仕向けたからであって、
彼等に関しては出来る限りの協力をすると約束したからよ。
だからこの手続きは私自身の手で行わなければいけないって思っているの。
ただただひたすらに面倒だけどね。
それでもやらなければいけないのよ。
…とは言え、ね。
なにより問題なのは必要な手続きが彼等だけではない、という部分かしら?
昨日の午後8時の時点での各生徒達の番号の入れ替えは相当な回数があって、
そちらの番号も整理しながら全ての生徒番号を書き換えなくてはいけないのよ。
各会場へ最新の番号を通知する為に、
早急に書類を片付ける必要があるの。
残された時間はあと僅かで、
せいぜい30分程度かしらね。
8時になれば各会場が開かれてしまうから、
その前に終わらせなければいけないのよ。
だからあと少しだけ。
そう自分に言い聞かせて、
最後の書類へと取り掛かったわ。




