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THE WORLD  作者: SEASONS
4月2日
18/185

ここで再び

先ほどの試合から30分くらい過ぎただろうか?



近くの時計を確認してみると、

時刻はすでに正午に近づきつつあった。



あと数分で12時になるだろう。



何気なく辺りを見回してみれば、

多くの生徒達が食堂に向かって行く姿も確認できる。



見える範囲内だけでもこの流れができているとすれば、

学園中のあらゆる場所で似たような動きになっているだろう。



この状況では次の検定会場に向かっても対戦相手として選べる生徒がいないかもしれない。



実際に確認しなければわからないが、

戦う相手がいなければ検定会場に向かう意味はない。



…焦る必要はないか。



ひとまず今は他の生徒達が検定会場に戻るまでの間に、

休息を兼ねて昼食を済ませておいたほうがいいだろう。


込み合う前に学生食堂に向かって歩くことにした。



…ただ。



休息も大事だとは思うが、

今後の試合に関しても考えておくべきだ。


さすがに今回は余裕と言える戦いではなかったからな。


苦戦とまでは言わないが、余裕があるとも言えなかった。



今までは順調に順位を上げてこれたが、

これから先も同じようにとはいかないと思う。



しっかり実力をつけてから試験に挑まなければ、

いずれ敗北する時がくる。


そうなる前に経験を積むべきだ。



まだまだ始めたばかりだからな。


運に頼るような試合ではなく、

実力で勝ち上がれる試合をしなければ意味がない。


ただ単に成績を伸ばすことが目的ではないからな。


強くなることが目的である以上は経験を積むことが重要になってくる。



…少なからず限界が見えた。



自分自身の限界だ。


今は無理に成績を伸ばすよりも、

試合の数をこなして実力を身につけていくほうが良いだろう。


まだまだ焦る必要はない。


もう少し経験を積んでから改めて上を目指せばいい。



そんなふうに今後の方針を定めつつ、

休息を兼ねて昼食をとろうと考えていたのだが。


ここで再び奇妙な現象が訪れた。



…気配が消えたな。



どういう基準で行動しているのかがいまだにわからないのだが、

数分前まで感じていたはずの監視者の気配が突然感じられなくなった。



…そう言えば。



昨日も似たような状況でいなくなっていたような気がする。



…時間か?



もう一度、近くにあった時計に視線を向けてみる。


時刻はあと数秒で正午を指し示そうとしている。


向こうも昼食だろうか?


監視者も人間だからな。


昼食のために尾行を中断したとしても決して可笑しな話ではない。


だが、交代の人員がいるわけでもないというのが理解できない部分だ。


本当の意味で監視を行うのなら常に見張っていなければ意味がないはずだ。



昼食や休憩を挟んでいちいち監視を中断するようでは情報収集としてはあまり意味をなさないだろう。



だとすれば何か別の理由があるのだろうか?


それともこちらが気づけないほど優秀な密偵がどこか別の場所にいるのだろうか?



気配を隠しきれない程度の実力者を囮として別の監視がついている可能性はあるだろう。



もしもそうなら尾行に気づけない以上

こちらからは手の打ちようがない。


とはいえ。


そこまで手の込んだ監視を行う必要性がない気もする。



…考えても無駄か。



単純に試合だけを監視するつもりなら一時的に目標を見失っても問題はないということかもしれないからな。



…もしもそうだとすれば。



もしも試合だけを重要視しているのであれば、

昼食のために監視を中断したとしてもそれほど問題ではないのだろう。



次にどこへ向かうかは難しく考える必要がない。


現時点での俺の生徒番号は8001番だからな。


この番号で先程の会場に戻る理由がない。



格下に試合を挑んでもらうのを待ち続けるよりも、

次の会場に進んで自らの意思で次の対戦相手を選ぶ方が効率的だからな。



おそらく監視者は次の検定会場で待っているはずだ。



向こうが予測しやすいからこそ、

こちらも容易に推測できる。


ここで裏をかくのは簡単だが、

あまり意味はない。


あえて下位対戦を行いに先程の会場に戻ってもいいが、

おそらく次の対戦相手が決まるまでには情報を手にいれて追跡を再開するだろうからな。



一時的に裏をかいたところで意味がない。


学園内にいる以上は完全にふりきることはできないからだ。


いっそ正面から正々堂々と立ち向かう方が効率がいいだろう。



好きなだけ観察させれば良い。


何も問題はない。


そう判断して食堂に入る。



あまり急がずに。


ゆっくりと昼食をとってからしっかりと体を休める。


そうして午前中の疲れをとった後で、

4番目になる次の検定会場に向かって移動することにした。



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