厄介な能力
《サイド:北条真哉》
…ちっ!!
…魔力が奪われてるな。
はっきりと分かる。
今はまだ少量だが、
徐々に奪われていく魔力は無視できる量じゃねえ。
このまま霧の内部にいれば、
いずれ全ての魔力が奪われるだろう。
そうなる前に試合を終わらせる必要があるわけだが。
…ったく、よう。
厄介な能力だぜ。
幾度と無く攻撃を仕掛けてみたものの。
総魔は防御に徹しているせいで、
なかなか致命的な一撃が入らねえ。
面倒なことに、
このまま持久戦に持ち込むつもりでいるようだ。
…ただでさえ面倒くさい相手だってのに。
時間をかけるだけ不利になるってのは都合が良すぎるだろ?
こいつの能力に関しては文句の一つも言いてえところだが、
叫んでみたところで流れが変わるわけじゃねえからな。
そんなくだらないことに時間を費やす暇があったら何とかする方法を考えたほうがマシだ。
…面倒だが、魔力が尽きる前になんとかしねえとな。
すでに2割程度の魔力は奪われている。
槍に込めている魔力も魔剣と打ち合う度に削り取られているからな。
攻撃するたびに消費する魔力と徐々に奪われていく魔力を考慮すれば、
すでに余裕がある状況とは言えねえだろう。
…これ以上の魔力が奪われる前に。
まずは一撃、総魔に叩き込む必要がある。
…とにかく今は攻め続けるしかねえ。
隙を見て叩き伏せる。
そのために。
魔力のあるうちに。
決定打を打ち込むために。
全力で槍を振るい続けた。




