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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1355/1378

経験の差

《サイド:御堂龍馬》



「セイント・クロス!!!」



爆発の衝撃によって吹き飛ぶ竜の牙達。



「「「「「ぐああああああああっ!!!」」」」」



僕が放った衝撃波の直撃を受けた彼等の体は、

十数メートルもの距離を吹き飛ばされてから次々と転がり落ちていった。



「ぐぅっ…!」


「かはっ!」


「ちぃ…っ…!!」



魔術の破壊力と落下の衝撃で体を強打した竜の牙達は、

苦痛の表情を浮かべながらそのまま意識を失って倒れていく。



その様子を眺める僕の隣では、

淳弥が放つ雷撃の矢が残存している竜の牙達へと襲い掛かっていた。



「ライジング・アロー!!!」



「がぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


「づあああっ!!!」



絶叫を轟かせて倒れ込む竜の牙達。


残っていた残党も全滅したことを確かめた淳弥が僕に振り返った。



「そっちも終わったか?」


「ああ、何とかね。」


「…そうか。」



命懸けの戦闘が終わったことで、

淳弥は安堵の息を吐いている。


その表情には若干の疲れが見えるけれど。


指輪によって力を封じているとは思えないほどの活躍だったんだ。



「さすがだね、淳弥。」



倒れた竜の牙達を縛り上げる淳弥の様子を眺めながら笑顔で話し掛けてみたんだけどね。



「ん?」



賛辞を送る僕に不思議そうに視線を向けていた。



「何がだ?」


「きみの実力だよ。」



力を封じているはずなのに。


それは感じさせない淳弥の戦闘能力は尊敬に価すると思うんだ。



「力を封印しても、きみの実力は何も変わっていないように思えるよ。」


「…実力か?どうだろうな。使える魔術が減ったうえに得意な戦術も使えなくなったからな。正直な話、かなりの実力の低下は実感してるところだ。」


「そうなのかい?とてもそうは見えないけどね。」


「そうか?まあ、何とか戦えるのは経験の差ってやつかもしれないな。」



…経験の差か。



戦争を経験した僕でさえ、

なかなか言えない台詞だと思った。



「きみも相当な苦労をしてきたのかい?」


「はは…っ。まあ…それなりにな。」



…それなりに、か。



説明を避けて言葉を濁しているけれど。


色々と気にはなるね。



…無理に聞き出そうとは思わないけれど。



淳弥も修羅場を経験していると思わせる言葉だったんだ。



元々自分の事をほとんど話さないからいつものことなんだけど。


淳弥の過去を僕は何も知らない。



…まあ、真哉のことも知らなかったんだけどね。



淳弥の過去に関しても、

誰も知らないんじゃないかな?



実力は確かだけれど。


実力以外に関しては誰も何も知らないんだ。



そして淳弥はその実力さえも極力見せないように行動している。



素性は不明。


実力も不明。



そう言う意味では総魔と淳弥は共通する部分があるだろうね。



だけど二人には決定的に異なる部分がある。



それは感情だ。



総魔は沈着冷静とも言うべき物静かな性格だけど。


淳弥は喜怒哀楽がはっきりとしていて、

何事にも正直でまっすぐな性格をしている。



翔子への想いを公言するほど、

淳弥は素直に自分の感情を表しているからね。



だからこそ淳弥は信頼出来るんだ。



必要以上に話さない代わりに決して嘘はつかない。



答えないことには答えないけれど。


嘘をついてごまかすことはしないんだ。



淳弥の言葉は全て真実で偽りがない。



少なくともそう思わせるだけの技量がある。



だからこそ淳弥は成績に関係なく特風に入ることが出来たんだと思う。



淳弥には信頼を勝ち取るだけの実力がある。


そしてその期待に応えられるだけの実績もあるんだ。




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