いつかは同じように
「このくらいなら数分で終わるかな?」
眠る成美ちゃんの隣で黙々と喪服を繕っていく。
「こうしてると平和よね…。」
学園のどこかでは今もまだ戦闘が続いているとは思うけれど。
私が参戦しても何の役にも立たないわ。
それはさっきの戦闘で十分に身に染みたしね。
「戦闘の訓練もしたほうが良いのかな?」
今まで必要性を感じなかったから、
魔術大会でも無理に戦おうなんて思ったことはないけれど。
こうして実際に身の危険を感じるような事態が続くと、
少しは努力しようかな…なんて思ってしまうわね。
…だけど。
殺し合いなんて想像さえも出来ないわ。
私には似合わないと思うのよ。
「魔術大会での試合とはわけが違うのよね~。」
命を賭けた殺し合いは、
一歩間違えればすぐに死に繋がるわ。
「ん~…。兄貴と愛里はどんな気持ちだったのかな?」
戦争に参加した二人はどんな想いで戦って、
どんな想いで亡くなったのかな?
それを考えると心が切なくなってくるわね。
「もしかしたら私もいつかは同じように想うのかな?」
今はまだ分からない想いだけど。
いつかは知る日が来るのかもしれないわ。
今はまだ分からないとしても。
いつか気付くと思うのよ。
だからね。
今は亡くなってしまった二人を想いながら祈りを捧げようと思うの。
…兄貴。
…愛里。
…私はずっと。
…ずっと二人のことが大好きだよ。
そんなふうに想いながら喪服を繕い終える。
そしてもう一度成美ちゃんと手を繋いでから医学書に意識を向けてみる。
「今は私の出来ることを…」
成美ちゃんのために医学書を読み返したの。
すでに全て暗記してるけどね。
それでも読み返したのよ。
「今は成美ちゃんの為に…ね。」
黙々と医学書と向き合うことにしたの。




