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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1339/1390

塵一つ

《サイド:上矢遥かみやはるか



………。



これは…この状況は良くないわね。



侵入者との戦闘が終わったことで、

周囲に視線を向けてみる。



そして通路に転がる死体を眺めながらね。


色々と考えてみたのよ。



…これが禁呪の力なの?



この魔術が…封印された共和国の秘術なの?



想定外…と言うよりも、

想像以上と言うべきでしょうね。



実験と練習を兼ねて発動した禁呪。



その威力と効果は、

私の予想を遥かに超えていたのよ。



…まさしく殺戮のための魔術だったわね。



自ら発動した禁呪を見て、

恐怖さえ感じてしまったの。



図書館の地下に封印されていた禁忌の魔術。


その効果は人をいとも容易く惨殺出来る凶悪な魔術だったからよ。



…さすがにこれは危険過ぎるわね。



あまりにも強力で無慈悲な惨状。



…いえ、これは違うわね。



これはもう惨劇と呼ぶべきかもしれないわ。



通路に転がる死体の数は僅か数名。



20人はいたはずの侵入者だけど。


死体が残ったのは僅か数名だけなのよ。



大多数が禁呪の破壊力に耐え切れずに人の形を崩壊させていたの。



血を撒き散らして骨を砕き、

臓物さえもえぐった残虐な魔術によって、

人としての形すら失った侵入者達はバラバラに千切れて朽ち果ててしまったのよ。



…その結果として。



通路はおびただしい血と腐臭で、

目も向けられない惨劇と化してしまったわ。



…これが禁呪なのね。



戸惑ってしまう私の背後では、

美和子達が悪臭に耐え切れずに嘔吐を繰り返してる。



…これが、人を殺すということなの?



初めて罪を犯したのよ。



殺さなければ自分達が殺されていたとは言え、

この惨劇を見ればどちらが悪か分からなくなるわね。



…最悪の気分としか言いようがないわ。



深く深く落ち込む心。


だけど、私は壊れない。



どんな状況であっても現実と向き合うと決めているから。



…私は壊れないわ。


…私の心は壊れない。



私は私の望む世界を守る為に。


前に進み続けると決めたのよ!



改めて心に誓ってから新たな魔術を展開する。



「全てを滅する…闇の炎。」



黒炎を生み出して通路に火を放つ。


この炎は血や臓物を焼いて骨を灰に変えていくけれど。



魔導図書館そのものには被害を与えていないわ。



細心の注意を払いながら、

惨劇の傷跡だけを灰に変えたのよ。



…これが戦うということなのね。



そしてこれが『力を手に入れる』ということなのよ。



…私は狂わないわ。



最期の瞬間まで、

私は私の意志を貫き通してみせる!!



決して力に溺れない。


決して力に屈しない。


決して力に捕われない。



それらを心に誓いながら全てを片付け終える。



静かに消し去る炎。


その跡にはね。


塵一つ残っていなかったのよ。




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