実力はバラバラ
「とりあえず二人は僕が守るよ。だから今は戦闘が終わるまで僕と一緒に行動しよう。」
「あ、はい。お願いします。」
「御堂君が一緒なら安心出来るわね。」
頭を下げながら控えめにお願いする成美ちゃんに続いて私も同行することにしたわ。
「それじゃあ、よろしくね~。」
気楽に答えて一緒に行動することを決めた私達に、
芹澤さんと矢野さんも歩み寄ってくる。
「私達も行くわよ。」
「里沙に同行するわ。」
笑顔で話す芹澤さんの隣に立つ矢野さんも加わったことで総勢5人。
矢野さんの実力は確認済み。
芹澤さんの実力は不明。
成美ちゃんの実力はもっと不明。
だけど御堂君の実力は文句なし。
とりあえず私は戦闘向きじゃないけど。
援護と治療程度なら役に立てるわ。
…まあ、何て言うか。
実力はバラバラだけど。
総合的に考えれば悪くはない組み合わせだと思うかな。
前衛二人と後衛二人。
そして成美ちゃんよね。
…うん。
…悪くはない、はず?
良く分からないけど。
御堂君がいるから大丈夫かな?
そんなふうに考えながら御堂君に問い掛けてみる。
「それで、どこに行くの?」
「音のする方角…かな?」
すごく曖昧な答えだったわ。
だけどそれ以外に説明のしようがないのも事実だと思うから素直に耳を澄ませてみる。
………。
はっきりとした方角は分かりにくいけれど。
複数の方向から戦闘音が聞こえてくるわね
「一番近そうなのは食堂方面かな?」
各地で発動している魔術の炸裂音に耳を傾けていた御堂君が動き出そうとしているわ。
「たぶん、そうでしょうね。」
「よし!行こう!!」
矢野さんが同意したことで御堂君が走り出す。
私達もそのあとを追って走り出したんだけど。
…これから何が起こるのかしらね?
色々なことが起こりすぎて気持ちの整理が追い付かない状況だったのよ。
ウィッチクイーンが残した謎と天城君が遺した希望。
そしてジェノスを襲う集団。
例え戦争が終わったとしても、
争いはまだ終わらないのよ。
…さしあたって。
私を守ってくれた不思議な現象が、
天城君が遺してくれた力なのかな?
竜の牙と呼ばれた集団に襲われた時に、
二度の攻撃から身を守った不思議な現象。
それが天城総魔の遺した力だとしたら?
成美ちゃんの瞳に沙織と美袋さんの力が秘められているように。
私の中にも同じような現象が起きているとしたら?
…もしかしたら、それは?
「まさか…ね。」
思い当たる答えは一つしかないのよ。
…ただ。
今はまだ自信がないから、
確定とは言い切れないけれど。
…だけど、もしもそうだとしたら?
納得出来ると思うの。
死の危機から救ってくれた力の正体。
それが私の予想通りなら納得出来るのよ。
だけど今はまだ判断出来ないわ。
予想が単なる幻想なのか、
それとも現実なのかが分からないから。
だから今はまず生き残ることが優先になるわね。
真実を知るのはそのあとでも十分なはず。
そんなふうに自分に言い聞かせて、
御堂君を追うことにしたの。
…まずは生き残ること。
そのために次の戦場を目指すことにしたのよ。




