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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1334/1366

『アレ』

《サイド:芹澤里沙せりざわりさ



学園の校舎前。



暴動の中心地に駆けつけた私達の周囲を取り囲む生徒達に向けて、

淳弥が冷静に話しかけていたわ。



「まあ、とりあえずだな…。大人しく投降するのなら痛い思いをしなくて済むと思うんだが…どうする?」



100人くらいの生徒が私達を取り囲んでいるんだけどね。



「…好きにしろ。」



誰かの言葉がきっかけになって、

驚くほどあっさりと戦闘が終了してしまったのよ。



「俺ももういい…。」


「暴れるだけ無駄だしな。」



誰一人として抵抗の意思を見せる様子がないまま、

素直に淳弥の意見を受け入れていたの。



…う~ん?



良く分からないけれど。


諦めにも思える発言を続ける生徒達は、

何故か百花に対して怯えるような視線を向けているわ。



…何があったのかしら?



ここで何があったのかなんて何も知らないけれど。


何故か木戸君と須玉さんまで、

百花から視線を逸らしているように見えるのよね。



…百花を避けてる感じ?



良く分からない状況だったわ。


それでも淳弥は特に気にした様子もないまま周囲の生徒達に指示を出してる。



「全員、生徒指導室に戻ってもらうぞ。一応言っておくが、逃げようなんて思うなよ?下手な抵抗を見せたら『アレ』を送り込むからな。」



…ん?


…アレって何?



意味が分からないけれど。


淳弥は百花を指差してる?



その指先を視線で追った生徒達は誰もが表情を歪めていたわ。



…なのに。



百花は私を見つめたまま静かに微笑んでいて、

淳弥達の行動を全く気にしてない様子なのよ。



「ねえねえ、百花。ここで何があったの?」


「…さあ?何でしょうね?」



極々自然に首を傾げる百花は、

とぼけているというよりも気にしてないように思えたわ。



…ん~。


…まあ、何でも良いけどね。



「それよりも怪我はしてない?大丈夫?」


「ええ、大丈夫よ。心配いらないわ。」



その場でくるりと一回転して見せた百花は本当にかすり傷一つないみたい。



「心配しなくても…私よりもね。」



何故か急に私の体を抱きしめてくれたのよ。



「里沙が無事ならそれで良いの。」



…ん?


…私が無事なら?



「そうなの?」


「ええ、そうよ。」



微笑み続ける百花の考えは私にも良く分からないけれど。


追求しても無駄っぽいことは何となく理解できたわ。



「まあいっか…。」



小さく呟いてから淳弥に視線を戻してみると。


すでに淳弥は木戸君と須玉さんを呼び寄せて、

周囲の生徒達を生徒指導室に連行しようとしているところだったわ。




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