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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1330/1366

竜崎慶太

「いたぞっ!!竜の牙だ!!総員攻撃を開始せよっ!!」



西の方角から青年の声が聞こえた直後に、

数え切れないほどの魔術が竜の牙へと降り注いだ。



「「「「「うあああああああああっ!!」」」」」



広範囲に炸裂する魔術に飲み込まれて、

竜の牙は瞬く間に壊滅に追い込まれていく。



「くそっ!!反乱軍だとっ!?」


「こんなところまで追って来るとはっ!!」


「撤退だーーー!!!」



突然現れた一団の攻撃を受けて逃げ出す竜の牙達。


その逃走と入れ代わりに、

反乱軍と呼ばれた部隊が俺を取り囲む。



「どうやら間に合ったようだね。」



…間に合った?


…どういう意味だ?



言っている言葉の意味が分からないが、

俺の前に指揮官らしき青年が歩み出てくる。



「初めまして、近藤悠輝君。」


「…俺の名を?」


「ああ、知っているよ。」



…何故?



「きみを迎えに来たからだよ。」



…迎え?



「僕は竜崎。竜崎慶太りゅうざきけいただ。」


「竜崎慶太?」


「ああ、そうだよ。」



頷いてから微笑みを浮かべる竜崎が右手を差し出してくる。



…友好の証?


…いや、単なる救援活動か?



疲労困憊というべき俺を支えるために手を差し出してくれたのだろうか?



…だが。



ここは敵地ミッドガルムだ。



竜の牙とは敵対している様子だが、

だからと言って味方であるという保証はない。



…この男は何者なんだ?



差し出された右手を眺めながらどうするべきか戸惑う俺に、

竜崎は笑顔のままで話し掛けてくる。



「細かい説明はこれからするとして、まずはきみを助けに来たのは事実だよ。」



…助けに来た、か。



確かにそれは事実だ。


もしも竜崎が来てくれなかったら間違いなく死んでいただろう。



「助けてもらったことは感謝する。」



その思いが真実であることを示すために竜崎の手を握り返した。



「すまない。助かった。」


「ははっ。そう言ってもらえると嬉しいよ。まあ、もう少し早く駆けつけられたら助けられた命もあっただろうけどね。」



………。



確かにそうかもしれない。


だが助けてもらっておきながら、

来るのが遅すぎるなどと言える立場ではないからな。



「結果的に救ってもらったことは事実だ。それ以上を求めるようなことはしない。」


「潔い言葉だね。好感が持てるよ。」



…好感か。



俺からすれば目の前の男は不審人物以外の何者でもないがな。



「改めて聞くが何者だ?何故、俺のことを知っている?」


「うーん。どう答えるのが一番かな?」



少しだけ悩んだ様子を見せた竜崎だったが、

おそらく最初から答えは決まっていたのだろう。



「まあ、今は使者としか言いようがないね。」



何者かの使いだと宣言していた。



「誰の使者だ?」


「説明はあとでするよ。それよりも今はここから離れるべきだ。いつまた竜の牙が襲い掛かってくるか分からないからね。」



…ちっ。



上手くかわされてしまったな。



だが竜崎の言う通りだ。


このままここに居続けるのは得策ではない。



「とにかくここから離脱しよう。」



………。



部隊を率いて動き出す竜崎に着いて行くべきだろうか?



疑問を感じてしまうが、

竜崎は全てを察したかのように笑顔で告げてくる。



「心配しなくていいよ。きみを共和国まで送るつもりでいるからね。」



…何が目的だ?



分からない。



だがここで別行動を宣言したところで、

一人では共和国まで逃げ切れるかどうか自信はない。



…どのみち一人では共和国まで戻れはしないか。


…なら、着いて行くしか選択肢はないな。



どちらにしても危険なのは変わらない。


だったら竜崎を信じてみるのもいいだろう。



どうせ死んでいたかもしれない命だ。


今更、逃げ惑う必要もない。



「さあ、行こう。」


「ああ。」



何も分からないまま歩き出す。



竜崎の部隊に守られながら、

共和国に向かって移動することになった。




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