背筋が凍る感覚
…何だ?
100人近い暴走する生徒達だけではなく、
木戸と須玉でさえも百花に怯えているように見える。
その異変に気付いて百花に視線を戻してみると。
百花はにっこりと最上級の微笑みを浮かべていた。
…な、なんだっ!?
ただ微笑みを見ただけなのに、
全身に悪寒が駆け巡る。
今まで感じた事のない恐怖だ。
決して触れてはいけないモノに触れたような感覚。
絶対に見てはいけないモノを見たような感覚。
…これは何だ!?
生まれて初めて絶望という言葉を知ったような気がする。
「も、百花…?」
体を震わせながら百花の口から手を離してみると。
百花は必要以上に優しく語りかけてきた。
「ねえ?邪魔をしないでくれるかしら?長野淳弥君」
…うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?
背筋が凍る感覚だった。
極度の戦慄を感じながら百花から後ずさる。
「ふふっ。良い子ね…。」
殺意の方向を変えた百花は、
笑顔を浮かべたまま渋沢東吾に振り返ってしまう。
「里沙の敵は私が排除するわ。」
「ちょ、ちょっと待て百花…っ。さすがにそれは…やばいぞ…!」
必死に忠告してみたが、百花の暴走は止まらない。
焦る俺の声に耳を傾けることもないまま魔術を発動させている。
「地獄に落ちなさいっ!」
意識を失って力尽きている渋沢東吾にとどめをさそうとしていた。
「ライジング・ストーム!!!」
巨大な雷撃の竜巻だ。
すでに無抵抗になっている渋沢東吾にとって、
間違いなく致命傷になる攻撃だ。
それ程危険な竜巻が渋沢東吾の体を飲み込もうとしたのだが。
突如として迫る光によって、
百花の魔術は二つに切り裂かれてしまった。




