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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1322/1356

最低でも

『急がないと共和国軍が壊滅するかもっ!』



助けるか?


見捨てるか?


まずはどちらかを選ぶ必要があるのよ。



「この状況で出来ることは…?」



幾つかあるわ。



セルビナの調査。


竜の牙の調査。


国境警備隊の救出。


ランベリアへの救援要請。



あるいは何もせずに撤退…という選択肢もあるわね。



だけどさすがに放置はまずいでしょうね。



共和国がどうなろうと構わないけれど。


秘宝が竜の牙に渡ることだけは阻止したいからよ。



「こうなったら仕方がないわ。雪は部隊を率いて国境警備隊と合流。共和国の援軍が来るまで何とかセルビナの進行を押さえて!その間に私はジェノスに戻って米倉宗一郎と話し合って来るわ。」


『うん♪頑張ってみる!』


「ギリギリまで堪えて、それでも無理だと思ったらすぐに撤退しなさい。みんなの生存が最優先よ。」


『うん♪頑張るね♪』



元気良く答えてから雪は通信を終えたわ。


私も雪の精霊を鞄に戻してからジェノスに振り返る。



「もしも本当に竜の牙が暴れてるとしたら…あの子はまた危険に巻き込まれてるんでしょうね。」



マールグリナで襲われて。


街道でも襲われて。


ジェノスに着いても襲われる。



つくづく運のない子よね。



「はあ…。」



激しくため息を吐いてしまったわ。



だけど今は愚痴を言っていても仕方がないのよ。



栗原薫の生存を確認するために、

再びジェノスに向かって駆け出すことにしたの。



「何て言うか…。完全にあの子のお守り役になってる気がするわね…。」



別に嫌とは言わないけれど。


面倒くさいとは思ってしまうわ。



それでも栗原薫を救出する為に、

再び来た道を引き返すしかないのよ。



「まだ死なないでよね…。他の誰よりも、あなたにだけは生きててもらわないと困るんだから…。」



御堂龍馬が死んでも構わないわ。


常盤成美が死んでも構わないの。



フェイ・ウォルカや近藤悠輝が死んでも問題はないのよ。



…でもね?



栗原薫だけは死なれると困るの。



「全員の生存が好ましいとはいえ。最低でもあの子にだけは生き延びてもらわないと交渉が成立しなくなってしまうのよ。」



最悪の事態に不安を感じながらジェノスへと急ぐ。



「頼むわよ、御堂龍馬。栗原薫を死なせないでよね…。」



祈るような心境で走る続けることにしたんだけど。



目指すジェノスは…意外と遠いのよ。



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