まともに戦えたのは
侵入者が口から血を溢れさせながら死亡してしまった。
「自ら死を選ぶか…。」
潔い最後だと思いながらも周囲を見渡してみると。
意識のある者達はすでに全員が自害したあとだった。
「一体、何者なんだ…?」
疑問を感じる俺にマリアが歩み寄ってくる。
「来てくれてありがとうフェイ。おかげで助かったわ。」
笑顔を見せてくれるマリアだが、
よく見てみると何箇所もの怪我を負っていて制服を赤く染めているのが確認出来た。
「怪我をしたのか!?すぐに手当を!」
「…ふふっ。大丈夫よ。これくらいなら…」
心配する俺に微笑んでくれたマリアだが、
最後まで言葉にする前に俺に倒れ込んでくる。
「…ごめんね。」
「マリアっ!?」
体を抱きしめて何度も呼び掛けてみるが返事はない。
完全に意識を失っていた。
「ちっ!」
焦りを感じるが、
俺にはどうすることもできない。
医療技術もなければ回復魔術も使えないからな。
「医務室に運ぶべきか?」
いくら緊急時といえども女子寮に入り込んで
マリアの部屋に向かうわけにはいかないからな。
校舎にある医務室に向かうかどうかを考えてみたところで、
援護に徹していたジェリルが駆け寄ってきた。
「…ごめん、フェイ。敵が思った以上に強くて…。まともに戦えたのはマリアだけだったの。」
………。
ジェリルの言葉を聞いて周囲を見渡してみると、
寮の周辺には犠牲になった女子生徒達の死体が数多く確認できた。
「ちっ!間に合わなかったか…っ。」
「…え、ええ。」
悔しさを感じて歎いた直後にジェリルがマリアの体を受け取ってくれる。
「とりあえず私が支えるわ。」
「すまない…。」
今は素直にマリアの体を預けることにした。
マリアがいてもこれほどの苦戦となれば、
他の地域では更なる被害が予想できてしまうからだ。
「マリアを頼む。」
「ええ、任せておいて。全力で守り抜くわ。」
ジェリルにマリアを託してからラングリッサーを握り締める。
「俺は敵を殲滅する。」
「無理はしないでね。」
「ああ」
マリアを背負って寮の中へと戻っていくジェリルを見送ってから女子寮に背中を向ける。
「何者かは知らないが容赦はしない。俺の仲間に手を出したことを後悔させてやろう。」
次の戦場に向かって駆け出す。
学園を守るために。
そして仲間を守るために。
侵入者の殲滅を行うことにした。




