7時間も
《サイド:文塚乃絵瑠》
…ぅ。
…ん?
眠りから目覚めて意識を取り戻した瞬間に。
…っ!
激しい頭痛を感じてしまったわ
「うあ~。頭が痛い~…。」
頭を抱えながら起き上がってみる。
そして周囲を見回していると、
すぐ傍に親友がいるのが見えたのよ。
「あらあら?ようやくお目覚め?」
聞き慣れた声ね。
隣のベッドに視線を向けると、
彩花がのんびりとくつろいでいるのが見えたわ。
「う~。おはよ~、彩花。今は何時?」
「もうすぐ2時20分よ。」
…はぁ?
…2時?
言われて時計に視線を向けてみる。
…うわ~。
ホントにお昼を過ぎていて、
すでに午後2時19分だったわ。
…う~ん。
細かい時間は覚えてないけれど。
暗黒迷宮に挑戦したのは昨日の午後11時30分頃よね?
そのあと強制退去されたのが8時間後だから朝の7時30分頃かな?
…で。
今が午後2時20分ということは?
「えっ…?」
…って?
…えぇぇぇぇぇっ!?
「もしかして7時間も寝てたのっ!?」
「あら?今頃気付いたの?」
驚く私を眺めながら、
彩花はいつも通りの妖しい雰囲気満載の笑顔を浮かべてる。
「相当疲れてたんじゃないかしら?何度か起こしたけれど、全く起きなかったのよ。」
…へ?
…そうなの?
笑顔で告げる彩花の話を聞いて焦りを感じてしまったわ。
「こんなにのんびりと寝てる場合じゃないのに…っ!」
他のみんながどうしてるか分からないけれど。
私は1番さえ突破出来ずに失敗したのよ。
私だけが前に進めずにいるの。
「急がないとっ!」
もう一度迷宮に挑戦しようと思ったんだけど。
「…焦らなくてもいいのよ。」
彩花は笑顔のままで話し掛けてきたわ。
「乃絵瑠が失敗することは、最初から分かっていたことだから。気にする必要はないわ。」
…あうぅ。
「そう言われると余計に落ち込むんだけど?」
深々とため息を吐いた次の瞬間に。
『コンコンコンコンッ!!!』と、
入口の扉が激しく叩かれたのよ。




