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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1242/1254

生きる為の目標

《サイド:御堂龍馬》



…うーん。


…何て言うのかな?



こういう言い方は失礼かもしれないけどね。



成美ちゃんの行動の一つ一つが可愛らしいと思ってしまうんだ。



…たぶん。



根本的な知識や経験が極端に少ないからだろうね。



何をするにしても不安そうな表情を見せる成美ちゃんを見ているだけで初々しさを感じてしまう。



…性格は全然違うけれど。



どうやら本当に、この子が沙織の妹らしい。



もしも沙織が生きていたとしたら、

いつかは僕の妹になっていたのかな?



そんなふうに思ってしまったことで、

兄になったような心境で成美ちゃんを見ている自分がいた。



まだ会って間もないのにね。


自分でも不思議に思うよ。



それでもね。


守りたいと思えたんだ。



僕にとっても大切な妹だと思えるから。


だから成美ちゃんには幸せになってほしいと思えた。



だからもしも許されるのなら。


僕も成美ちゃんを守りたいと思う。



僕にはもう何も残っていないと思っていたけれど。


どうやらそうじゃなかったらしい。



僕にもまだ守りたいと思える人がいたんだ。




共和国を守る為。


ジェノスを守る為。



それが理由でも僕は戦える。



…だけどね。



他の何よりも。


沙織の妹を守る為になら、

命をかけることが出来る気がしたんだ。



そんなふうに思えたことで、

僕は新たな目的を見出だすことができた気がした。



例え戦争が終わっても。


例え戦いが終わっても。



僕にはまだ出来ることがある。



成美ちゃんを守ること。



そして出来る限り成美ちゃんには幸せな日々を過ごしてほしいと願うことで、

生きていく目標が手に入れられたような…そんな気がしたんだ。



…だから、ね。



もしもこんな僕を許してくれるのなら。


僕は成美ちゃんを守りたいと思う。



そして成美ちゃんの幸せを見届けたいと思うんだ。



…もしかしたらきっと。



沙織を守れなかったことを今でも悔やんでいるからこそ、

成美ちゃんを守ることで悲しみを乗り越えようとしているのかもしれない。



栗原徹君のように。


愛する人の代わりに、

他の誰かを守りたいと思っているのかもしれないね。



この気持ちは単なる自己満足かもしれないけれど。


それはそれで間違いではないんじゃないかな?



僕は沙織に何もしてあげられなかったけれど。


だけど沙織の代わりに、

成美ちゃんの幸せを守りたいって思えたんだ。



…そして。



出来ることなら、

僕と沙織の分まで幸せになってほしいと思う。



そんなふうにね。


思えたんだ。



それが僕に出来る唯一の謝罪だから。


沙織を想いながら、

成美ちゃんに話しかけてみる。



「美味しいかい?」



パフェと向き合う成美ちゃんに問い掛けてみると。



「はい!すごく美味しいです♪」



笑顔で頷いてくれたんだ。



幸せそうに微笑む成美ちゃんの笑顔を見ているだけで優しい気持ちになれる。



この数日間の影響で、

笑い方すら忘れてしまったと思っていたのに。


成美ちゃんの前では自然と笑顔でいられたんだ。



…だからこそ。



成美ちゃんの笑顔を守り抜くこと。


それが僕の役目だと思えた。



成美ちゃんとの出会いが僕の心を動かして、

新たな道を示してくれたんだ。



そのことがね。


すごく嬉しく思えた瞬間だったんだ。



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