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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1239/1242

奇跡を起こせる人物

《サイド:御堂龍馬》



「私の目が見えるようになったのは…二人がくれた最期の願いなんだと思います。」



成美ちゃんは自分自身に起きた出来事を説明してくれたんだ。



…なるほどね。



目が見えるようになった理由を聞いて、

何故か自然と納得することが出来る気がした。



…たぶんだけど。



そこにはきっと、

何らかの別の理由があるんじゃないかな?



さすがにね。


想いや気持ちだけで、

奇跡が起きるとは思わない。



成美ちゃんの気持ちは十分に理解出来るけれど。


想いだけでは奇跡は起きないと思うんだ。



…もしも本当に奇跡が起きるのなら。



世界中で奇跡が起きているはずだからね。



目が見えるようになった理由。



そこにはちゃんとした理由があるはずだ。



…だとしたら?



思い浮かぶ答えは一つしかない。



…きっとそういうことだよね?



沙織と翔子の想いを知って、

奇跡を起こせる人物なんて一人しかいない。



不可能を可能に。


そして。


あらゆる想像を創造できる人物。



それは一人しかいないから。



少なくとも僕にはそうとしか考えられなかったんだ。



…おそらく。



成美ちゃんの瞳を治療したのは総魔だ。



他の誰にもこんなことは出来ない。



…だからきっと。



死の間際に何らかの方法で、

奇跡を届けたんじゃないだろうか?



ジェノスにいる成美ちゃんに、

二人の想いを届けて瞳に光を宿す。


そんな奇跡にも近い力を持っているのは総魔だけだ。



もちろんそのための理論や方法なんて、

僕にも理解出来ないけれど。


それでも間違いないと言い切れる自信がある。



この奇跡は総魔以外に考えられない…ってね。



総魔の想いを受け継いで、

戦争を生き残った僕だけど。



…もしかしたら。



残された想いはそれだけじゃなかったのかもしれない。



沙織と翔子の想いを受け継ぐ少女がいる。



ただそれだけのことで、

少しだけ心に安らぎを感じることが出来たんだ。



…まだ全てが無くなったわけじゃない。


…まだ全てを失ったわけじゃないんだ。



仲間を失っても。


仲間が残してくれた想いは、

今もまだ残された人々の心の中に残り続けている。



僕と成美ちゃんの心の中にも確かに存在してるんだ。



そしてそれはきっと。


深海さんのご両親にもあって、

大切な家族や友人の心の中で、

仲間達は存在しているんだと思う。



例え命が失われたとしても残り続ける想い。



その想いを受け継ぐ誰かがいる限り、

終わりは決して訪れない。



…総魔。



きみが残した奇跡によって、

僕も成美ちゃんも生きていけるんだ。



きみが残した希望がある限り、

僕達は生きていけるんだ。



総魔が死の間際に残した希望。


それが本当に実在するかどうかなんて僕にも分からない。



でもね?


それでも僕は思うんだ。



総魔の残してくれた奇跡が、

僕達が生きていく為の希望なんだ…と。



総魔が残した想いによって僕は戦争を生き延びて、

成美ちゃんは瞳に光を宿した。



その事実を否定することなんて僕にはできない。



総魔は自らの命と引き換えに、

今でも僕達を守ってくれているんだ。



心から親友と呼べる存在。


総魔に感謝の気持ちを込めたいと想う。



…ありがとう、総魔。



きみが託した想いだけは、

決して無駄にはしない。



この想いだけは、

決して忘れはしない。



その想いを心に誓いながら。


改めて成美ちゃんと向き合うことにしたんだ。



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