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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1238/1242

生きていけるように

《サイド:常磐成美》



あの日はもう…何もする気になれませんでした。



一日中泣き続けて。


どうすることも出来なくて。


ただただ泣いていたんです。



そうして一日中泣き続けて、

泣き疲れてしまった私そのまま眠りについていました。



そして翌朝。



目が覚めた時に異変に気付いたんです。


自分の瞳に起きた奇跡に気付くことができました。



「一晩中泣き続けて…。泣き疲れて眠って…。気が付いた時にはもう朝でした。」



あの日の驚きは、

今でもはっきりと覚えています。



「朝になって目が覚めて…起きようとした時に生まれて初めて『眩しい』って思ったんです。」



どうしてなのかは分かりません。



…ですが。



私は光を知りました。



見えなかったはずなのに。


ずっと治らないと思っていたのに。



「何故か光を感じることが出来るようになっていたんです。」



理由なんて、私にも分かりません。



いつもと同じように目覚めて、

いつもと同じように暗闇の世界を生きていくはずでした。



…なのに。



突然、奇跡が訪れて、

『瞳』に『光』が宿ったんです。



奇跡の理由も目が見えるようになった理由も分かりません。



ですが。


それでも私は思うんです。



「どうして見えるようになったのかは分かりません。でもきっと…お姉ちゃんと翔子さんが奇跡をくれたんだと思います。」



はっきりとした理由なんてありませんけど。



…それでも。



「二人が私を想ってくれているって感じることができるんです。私を見守ってくれているって思えるんです。」



そう思えるから。


だからこれからは一人でも生きていけると思っています。



私にとって大切なお姉ちゃんと翔子さん。


最愛の二人の死によって、

孤独と絶望を感じたことは事実です。



ですが。



瞳に宿る二人の『優しさ』が感じられる限り、

絶対に一人ではないと思えるんです。



二人が見守ってくれていると信じることが出来るから。


だから私は一人になっても生きていけると思えました。



…例え二人の支えがなくても。



瞳が見えるのなら、

自分の力で生きていけるはずです。



そう思うことで強くなろうと考えていたんです。



「きっとこの瞳は…二人が治してくれたんだと思います。私が一人でも生きていけるように…自分の力で生きていけるように…きっとその為に『光』をくれたんだと思います。」



まるで二人に抱きしめられているかのような、

そんな優しさを感じることが出来るんです。



だから瞳に込められた想いを信じて、

これからも生きていこうと…そんなふうに思っていました。




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