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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1206/1242

焦り

《サイド:栗原薫》



ジェノスへと続く街道を、

朝から一台の馬車が走り続けてる。



…と言っても。



学園長と私とウィッチクイーンを乗せた馬車なんだけどね。



私達3人を乗せた馬車は、

ジェノスを目指して今日も南下を続けていたわ。



「早朝から忙しないわね~。もう少し休んでから出発したほうが良いと思うわよ?」



欠伸を堪える様子のクイーンは、

本気で眠そうに見えるわね。


もしかしたら私が思うよりも疲れが溜まってるのかもしれないわ。



色々と各地で戦闘をしてたっぽい発言をしていたし。


実際に二度も命を助けてもらってるわけだし。


もう少し寝ててもらったほうが良いかも?



…なんて、思うけれど。



学園長は学園長で思うところがあるみたい。



「気持ちは理解できるのですが…先程の襲撃を考慮すれば、これ以上のんびりとはしていられません。」



…うん、まあね。



私だってさっさと逃げたほうがいいとは思うのよ。



それはついさっき。


1時間ほど前の出来事なんだけど。



夜の行動を控える為に学園長が日付が変わる前に見つけた林の一画で馬車を止めて、

馬を休ませつつ休息をとっていたんだけど。


夜明け前に再び竜の牙の襲撃を受けたことで戦闘になっていたのよ。



もちろんその戦いでもね。



クイーンが約束通り私達を守る為に竜の牙と戦って敵を撃退してくれたわ。



そのおかげで被害はないし、

今も無事に行動出来てるわけだから、

慌てる必要はないと思うんだけどね。



…だけど。



だからと言って油断なんて出来ないし。


まだクイーンを完全に信じきれていない学園長にしてみれば、

クイーンに頼る戦闘は不安で仕方がないかもしれないし。


ホンの数時間だとしても馬を休ませることは出来たから、

のんびりと休んでいる気持ちにはなれなかったのかもしれないわ。



「休息はもう十分ですよ。今はジェノスに急ぐことが優先です。」



先を急ぐ学園長の言葉を聞いて、

クイーンは小さくため息を吐いてる。



「う~ん。真面目なのは良いけど、あまり無理はしないほうが良いわよ?焦りは心に隙を作ることになるし、少し頭を休めるのも重要な戦略よ。」



「それは…どういう意味ですか?」



「別に深い意味なんてないわ。」



敵か味方かわからない人物に忠告をされたことで疑問を感じる様子の学園長に、

クイーンは面倒臭そうに答えてる。



「ただ…今のあなたは焦っているように見えるから言ってみただけ。だから気に入らないなら無視してもいいわよ。」



気楽に答えたクイーンは隣でまだ寝ぼけてる私に振り向いてくれたのよ。



「まだ寝てて良いわよ。ジェノスまでまだ2時間はかかるでしょうしね。」



まるで子供をあやすかのように、

私の頭を撫でてくれたの。



「…はぁぃ…。」



正直に言って私もまだ眠かったから、

素直に横になって眠ることにしたのよ。



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