役割分担
「まあまあ、里沙のことは淳弥に任せるとして…。」
いつまでも口論を続けていても仕方がないからね。
木戸君と須玉さんに話しかけることにしたんだ。
「それよりもこれからのことなんだけど…」
戦争が終わるかどうかはまだ分からないからね。
話し始める僕に視線を向けてくれた二人に改めて願ってみようと思う。
「明日にはある程度の情報が集まると思うけれど、もしも戦争が続くようなら学園のことは当分の間二人に頼むことになると思う。色々と大変かも知れないけれど頑張ってくれないかな。」
戦争が続くようなら、
僕はまた戦場に向かうことになるからね。
それに淳弥達も学園を離れることになると思う。
だからお願いしてみたんだけれど。
二人は笑顔で頷いてくれていた。
「いいさ。その為に特風に参加してるようなものだからね。出来る限りのことはするつもりでいるよ。」
「もちろん私もそのつもりよ。それにどう考えても『ここ』より『戦場』のほうが危険で大変だと思うわ。それに比べれば町の治安維持なんてまだ楽なほうよ。」
…まあ、そうだね。
確かに戦場に比べればマシかもしれない。
だけど治安維持も誰かがやらなければいけない業務の一つなんだ。
だから彼らが楽をしているなんて思わない。
むしろ感謝しているくらいだ。
「ありがとう。きみ達のおかげで僕は戦場に向かうことが出来るんだ。」
後ろを気にせずに前に進めるのは木戸君や須玉さんのような人達がいてくれるからだからね。
「それじゃあ僕は寮に帰るよ。色々と整理したいこともあるし、明日の準備も必要だからね。」
話を終えたことで出口に向かってみる。
だけどその途中で足を止めて振り返ることにした。
「ああ、そうそう。これを渡すのを忘れていたね。」
鞄から一冊の手記を取り出す。
そして淳弥に差し出したんだ。
「これはシークレットリングに関する文献なんだけど、ひとまず淳弥に預けておくよ。僕には解読出来なかったけれど、百花達がいれば読めるかも知れないからね。」
「ほ~。研究記録か?まあ、あとで読んでみる。」
「うん。それでいいよ」
淳弥に微笑みを向けてから再び歩きだす。
そして。
「じゃあ、みんな。また明日。」
仲間達に挨拶をしてから、
特風会を出ることにしたんだ。




