判断に対する義務
「…淳弥。」
「ん?」
「とりあえず、里沙のことは淳弥に任せるよ。」
「はぁっ!?」
笑顔で告げたんだけど。
僕の言葉が理解なかったのかな?
…だけどね。
僕としては淳弥に委ねるしかないと思ってる。
「今の理沙は指輪によって力を封印したことで実力が低下してる。…となると、里沙に身を守る術はないからね。『誰かが』守ってあげるべきだとは思わないかい?」
「な…まさかっ!?俺に里沙を護衛しろっていうのか!?」
…ああ、そうだよ。
戸惑う淳弥に笑顔で頷く。
「残念だけどそういうことになるね。だけどそれはきみが下した判断に対する義務だ。里沙の危険を考慮してなかったわけじゃないだろ?」
誰かの犠牲の上に成り立つ平和なんて僕は望まない。
「里沙も大切な仲間だ。見捨てるわけにはいかない。」
「いや、まあ…そうなんだけどな。だが一応、俺も力を封印してるんだぞ?」
守る必要があると告げた僕に、
淳弥はささやかな抵抗を試みていた。
だけどその程度の問題なら気にしないさ。
「きみならその程度のことで逃げだしたりはしないだろ?」
絶対的な信頼を持って答えておく。
「それとも護衛は嫌いかい?」
「いや…まあ、嫌だとは言わないけどな…。」
言葉に迷う淳弥だけど。
今更断るのは難しいんじゃないかな?
里沙が淳弥を睨み続けているからね。
「そうよ!御堂君の言う通りよ!元はと言えば淳弥が悪いんだから、責任をとりなさいよね!!」
強制する里沙の言い分は間違っていない。
…言い方の問題はあると思うけどね。
せめてもう少し穏やかにお願いできれば、
淳弥の心労が減るとは思うんだけど。
里沙は里沙で命懸けの状況だから仕方がないかな。
「よろしくね。」
「…マジか。」
「私の護衛に不満でもあるのっ!?」
「い、いや…。」
強引に命令する里沙に一度だけ視線を向けた淳弥は小さくため息を吐いていた。
「言うだけ無駄だな…。」
拒否も反論も出来ずに、
半強制的に護衛を引き受けてくれたんだ。




