責任の行方
色々な意味で厄介な人物である芹澤啓輔だけど。
実は彼に良く似た性格の人物と僕は出会っている。
僕はまだその事実を確認したわけじゃないけれど。
妹想い?という意味では栗原薫さんのお兄さんである栗原徹君も極度の思考の持ち主だったそうだ。
誰よりも妹を溺愛する暴走ぶりを僕が見ることはなかったけれど。
総魔は王都で目撃しているらしい。
だけどそんな栗原徹君と芹澤啓輔では決定的な違いがある。
栗原徹君はあくまでも妹として栗原薫さんを見ていて、
芹澤啓輔は女性として里沙を見ているという部分だ。
その違い。
その差は大きい。
さすがに学園内で問題を起こすようなことはないと思うけれど。
このまま放っておく訳にはいかないとも思っている。
学園内では安全でも学園の外まで里沙を守ることは出来ないからね。
里沙が安心して実家に帰れるようにする為にも、
芹澤啓輔の問題は解決しなくてはいけない。
最も確実な方法としては里沙が芹澤啓輔の実力を上回れば安心出来るけれど。
里沙が関わると予想以上の実力を発揮する芹澤啓輔を越えるのはなかなか難しいとも思う。
…どうするべきかな?
長年考え続けている問題だけど。
なかなか答えは出なかった。
…とりあえず、一度話し合うべきかな?
里沙との関係はもちろんだけど。
学園の今後の方針に関しても話し合う必要があるからね。
…上手く話が進めば良いけれど。
たぶん無理だろうね。
今まで芹澤啓輔と話し合いを行って、
上手くいったことは一度もないからだ。
今回の淳弥のように取引でも持ち掛けない限りこちらの意見を聞き入れてはくれない。
そんな芹澤啓輔との交渉となると。
…どうするべきかな?
違った意味で命懸けの里沙を守る為に頭を悩ませることになる。
力を封印した現状だと里沙に抵抗する力はない。
とりあえずは護衛をつけるしかないかな?
極力一人で行動しないように気を付けている里沙だけど。
常に傍に誰かがいるわけじゃない。
出来る限り百花が傍にいるように配慮してはいるけれど。
それでも絶対じゃないんだ。
…この際、淳弥に責任をとってもらおうかな?
ある意味で責任の放棄だけど。
僕が護衛をするのは難しいからね。
淳弥に任せるのが最善策に思えたんだ。




