戦争の影響
これはまあ、あれだね。
恐怖から解放されて一気に力が抜けた感じかな?
里沙はその場にしゃがみ込んで大きく息を吐いている。
「はぁ…。」
僕の威圧から解放されて安心したのかな?
安堵の息を吐いていた。
そんな里沙の肩に百花が触れたことで、
里沙と百花は同時に気付いたようだ。
里沙の体が恐怖で震えていることに。
里沙自身でさえも付いていなかった体の震えに、
二人は同時に気付いた様子だった。
「ね、ねえ。里沙…大丈夫なの?」
「だ、だい…じょうぶ…。多分…?」
心配する百花に里沙はゆっくりと視線を向けている。
震える声だったけれど。
それでも里沙は百花に答えてから立ち上がろうとしていた。
だけど震えて動けないようだ。
「あ、あれ…?」
恐怖からは解放されているにも関わらず、
里沙の体は意思に反して動かなかったらしい。
「…う~ん。これは重症ね。」
様子を見ていた百花が、
ひとまず里沙を助け起こしていた。
「とりあえず、ここに座りなさい。」
すぐ傍の席に里沙を座らせてくれたんだ。
「ごめん、里沙。怖がらせるつもりはなかったんだ。」
二人の様子を見ていた僕は里沙に謝ることにした。
僕としてはね。
理沙に冷静になって欲しかっただけなんだ。
だからいつも通り説得しようと思っただけだったんだけどね。
それ以上の結果になってしまっていたようだ。
「ごめんね。」
「…う、うん。いいよ。」
里沙に謝ると小さく頷きながら僕を許してくれたんだけど。
体はまだ動かない様子だね。
立ち上がるどころか、
手足を動かすことさえ難しそうに見える。
それなのに里沙は笑顔を見せてくれたんだ。
「大丈夫、大丈夫。」
必死に強がっているのはすぐにわかった。
だけどそれを指摘するのは失礼だと思うから何も言わないことにしたんだ。
「ごめんね。」
改めて謝罪してから里沙から離れる。
そんな僕の背中を眺めていた里沙がぽつりと呟く声が聞こえてしまった。
「…こ、怖かった〜。」
…あ~。
やっぱり大丈夫じゃなかったようだね。
そしてもちろん百花にも聞こえていたようだ。
「う~ん。戦争の影響かしら?以前とは少し雰囲気が違うわね。」
もちろん百花の言葉も聞こえている。
「覇気が増した感じ…かしら?」
…どうなのかな?
実力と共に存在感も増大するのだろうか?
「天城総魔に匹敵する威圧感ね。」
「…うん。」
呟いた百花の意見を里沙が肯定していた。




