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THE WORLD  作者: SEASONS
4月19日
1159/1212

手遅れ

《サイド:栗原薫》



マールグリナを出発してから数時間。



私と学園長が乗る馬車は、

ジェノスへと続く街道を3分の1くらいの距離まで進んだみたい。



「少し早いですが、もう少しだけ進んだら今日は休みましょう。馬を休ませる必要がありますし、街道と言えども夜道は危険ですからね。」



…う~ん。


…確かに。



比較的平和な共和国でもやっぱり野党や盗賊の類はいるし。


現状だと竜の牙と思われる魔術師の部隊まで暗躍してるわけで、

どう考えても夜は危険だと思うのよね。



なにより夜道は足元がはっきりとは見えないだろうから馬にとっても良くないと思うわ。



今は学園長の魔術で明かりを生み出して夜道を照らしてもらっているけれど。


それでも安全とは言い切れないわよね?



…さすがにね。



私も学園長も医師としての知識はあるけど。


獣医じゃないから馬が怪我をした場合にどうすればいいのかなんてさっぱりわからないわ。



だからこそ。


馬を危険な目にあわせるわけにはいかないの。



出来ることならこのまま先を急いでジェノスに向かいたいとは思うんだけど。


いつ誰に襲われるかも分からない状況だしね。



あまり無理は出来ないということよ。



「…いざという時に全力で逃走出来るように馬を休める必要があります。」



それも当然だと思うわ。



竜の牙やウィッチクイーン達が共和国に潜入しているわけだしね。



街道は危険だと判断すべきなのよ。



町にいても襲われる現状だから。


町の外はもっと危険度が高いはず。



学園長が生み出す光も敵に居場所を知らせているようなものだから、

あまり得策とは言えないわ。



「どこかで身を潜められそうな場所を探して、夜明けを待った方が良いでしょう。」


「そうですね。」



私が賛同したことで身を潜められそうな場所を探す学園長だけど。


その判断はすでに遅かったみたい。



「うわ…っ!?って!?学園長〜〜~!!」



馬車の荷台にいる私は大慌てで学園長に呼び掛けたのよ。



「た、た、た、大変ですっ!!」


「どうかされましたか?」



まだ何も気づいてない様子の学園長に後方を指さしながら報告を急ぐ。



「誰かが馬車を追い掛けて来ています!」


「なっ!なんですとっ!?」



私の報告を聞いて即座に後方を確認した学園長は、

馬車を追いかけてくる人物達を見て驚愕の表情を見せたのよ。



「あれは…まさかっ!?」



追い掛けて来る人物達の服装を見て何かに気付いたみたい。



「まさか…っ!?町を襲った魔術師ではっ!?」



マールグリナを襲った魔術師達と同じ服装なのかな?



私はそこまで観察する余裕がなかったからいまいち覚えてないけれど。


学園長は捕虜の服装を確認してるはず。



まあ、捕えた魔術師は全員暗殺されたみたいだけどね。



とりあえず背後の追撃者達が竜の牙かどうかは不明でも、

町を襲った魔術師である以上はこのまま私達を見逃してくれるとは思えないわ。



「私か栗原さんか…どちらが目的か分かりませんが、どちらも見逃してはくれないでしょう。」


「…ですよね。」



背後を確認する学園長はすでに戦闘を考慮してるっぽい。


後方から接近してくるのが魔術師なのは間違いないからよ。



加速系統の魔術でも使用してるのかな?



街道を駆ける馬車の速度に対して、

謎の部隊は楽々と距離を詰めて来てるのよ。



こうなると逃げるのも難しいわ。



馬を全力で走らせるのは簡単だけど。


それだけで追跡を振り切れるとは思えない。



「やはり戦うしかありませんね。」


「勝てますか?」


「…どうでしょうか?やってみなければわかりませんが…敗北は死を意味しますので、勝たなければいけません。」



…確かに。



町を襲うような魔術師に捕まって無事でいられる保証なんてどこにもないわ。



まず間違いなく殺されてしまうわよね?



だからそうならないために、

学園長は私に指示を出してきたのよ。




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