制限時間は8時間
「あとの説明はあなたに任せても良いかしら?」
問い掛けてきた川島所長に、
彩花は笑顔を浮かべたまま頷いてた。
「ええ、お引き受けします。」
「ありがとうございます。それでは私は先に帰りますが、何かあればいつでも呼びに来てください。」
早々に立ち去る川島所長の後ろ姿を全員で見送ることにしたわ。
そのあとで彩花が私達に話しかけてきたのよ。
「それじゃあ、説明を続けるわ。」
川島所長が去ったことで、
代わりに彩花が説明してくれるようね。
「暗黒迷宮に挑戦出来るのは一室につき一人だけになるわ。誰かが入った時点で鍵が掛かって中へ入れなくなるのよ。各迷宮に挑戦出来る時間は8時間まで、時間が過ぎれば『闇の精霊』によって強制的に迷宮から追い出されることになるわ。」
…ふ~ん。
迷宮に入れるのは一人だけなのね。
そのうえで制限時間は8時間か~。
これって短いのか長いのか判断に困るところよね?
どう頑張っても8時間程度の時間が必要なのか、
それとも数分で終わる迷宮に8時間の猶予があるのかで難易度が変わってくると思うからよ。
「ちなみに彩花は最初の迷宮を何時間で攻略したの?」
「一度目は1時間ほどかかったわ。最短だと26分ね。」
…彩花でも1時間か~。
それでも最短で30分程度と言うことは、
やっぱり多めに猶予があるのかも?
「8時間かかることってあるの?」
「先に進むほどに難易度が上がるから、必要な時間も増えていくのよ。」
…ああ、なるほど。
一つ目は30分程度でも、
二つ目だと1時間とか、
三つ目だと2時間とかになってくるわけね。
「ついでに聞くけど5つ目を攻略した時の時間は?」
「私の場合で7時間12分。奈々香は6時間49分だったそうよ。」
…と言うことはつまり?
「6番目の迷宮を中断した理由って、時間切れってこと?」
「まあ、そうなるわね。」
「それって広さの問題とか?」
「それもあるけれど、純粋な難易度と考えたほうがいいわ。」
…うわ~。
つまりこれって先に進めば進むほど、
ややこしい罠が待ち受けてるっていうことよね?
「あとのことは実際に中に入れば分かることよ。あれこれと話を聞くよりも直接経験したほうが早いから、まずは一度、自分自身で経験してみることね。」
…う~ん。
それが怖いから確認してるんだけどね~。
「まずはあずさから最初の扉に行ってきなさい。あずさならそれほど時間もかからないはずよ。」
「は~い♪」
彩花に指名を受けたあずさが、
元気良く手を挙げながら迷宮に向かって歩き出す。
「ではでは、お姉様ぁ♪行ってきますぅ♪」
無邪気な笑顔でお気楽な雰囲気を放つあずさは、
迷うことなく『1番』と書かれた扉に入って行ったのよ。




