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THE WORLD  作者: SEASONS
4月19日
1147/1212

川島郁恵

魔術研究所の内部を進んでいく。


そうして私達5人は研究所の地下にたどり着いたわ。



まっすぐに伸びる広い通路。


その両側に並ぶ幾つもの扉。



それらには目を向けずに、

一本道の通路を迷わずに進み続ける。



そしてそのまま地下通路の先にある所長室の前まで向かって、

足を止めてから扉を軽くノックしたわ。



『コンコン』と静かな空間に響き渡る小さな音。



室内にいる人物がノックの音に気付いてくれたようで、

そっと扉を開いてくれたのよ。



「はいはい。どちら様ですか?」



開かれた扉の向こう側に立っているのは60代の女性よ。



見た目は人の好さそうな老婆だけれど。


実際はどうかしらね?



笑顔を浮かべながら大人しそうな雰囲気を出してはいるけれど。


瞳は全く笑っていないわ。



常に他者を畏怖させる覇気を持つこの女性は研究所とは全く関わりがない乃絵瑠でさえも見覚えがある人物のはずよ。


この学園に在籍する生徒なら誰でも一度は見たことがあるはず。



彼女の名前は川島郁恵かわしまいくえ



カリーナ女学園の理事長であり、

魔術研究所の所長でもあるわ。



そして同時にカリーナ女学園の学園長である桜井由美の母でもあるわね。



学園長の旧姓は『川島由美』だったのよ。



10年以上前に結婚した学園長は、

川島から桜井に性を変えたことで今は苗字が違うけれど。


桜井由美は川島郁恵の娘になるわ。



「お久しぶりです。」



頭を下げる私に続いて、

乃絵瑠達も礼儀正しく挨拶をして頭を下げていく。



そんな私達を眺めていた川島所長は、

笑顔のままで私達を室内へと招き入れてくれたのよ。



「立ち話もなんですから、どうぞお入りなさい。」



優しく告げる言葉に従って、

私を先頭として乃絵瑠達も室内へと歩みを進める。



室内に入ってすぐにソファーに案内された私達全員が着席したのを確認してから、

川島所長がお茶の用意をして私達に差し出してくれたわ。



「少し休憩してから、お話を伺いますね。」



お茶菓子も用意してくれた川島所長は丁寧な物腰と話し方で、

何も知らない人から見れば常識人に見えるでしょうね。



…何も知らなければ、だけど。



今でこそのんびりとした動きで私達をもてなしてくれているけれど。


昔は相当派手に暴れた武闘派の魔術師だったという噂があるのよ。



娘の由美を産んでから性格が丸くなって、

今のような優しい性格になったらしいけどね。



それが嘘か真実か私達には分からないわ。



なにより川島郁恵の過去を話そうとする人物が一人としていないからよ。



米倉宗一郎も進藤輝彦も鞍馬宗久でさえも、

川島郁恵の過去には触れようとはしないの。



それほど謎の多い人物なのよ。



そんな川島所長は私達を微笑ましく眺めながらのんびりとした動きで席につく。



…そして。



「さて…。それではお話をお伺いしましょうか。」



ようやく本題に入ったわ。



室内に入ってからすでに10分ほど経過しているわね。



ついに話が進展し始めたのよ。




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