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THE WORLD  作者: SEASONS
4月19日
1137/1212

竜の牙の幹部

「もしもそれが事実であればマールグリナを襲った襲撃者はウィッチクイーンの顔を知らなかったということになります。」



…ん?


…まあ、そうなるわよね。



「ですが、それは有り得ません。少なくとも竜の牙に属する魔術師であれば、確実に彼女の顔を知っているはずだからです。」



…確実に?



「どういうことですか?」


「ウィッチクイーンと呼ばれる女性は竜の牙の幹部だからです。私も何年か前に一度だけ見たことがありますが、当時はまだ10代後半…今なら20代前半のはず。彼女も竜の牙に所属する魔術師ですので、彼女の顔を知らないということは考えられません。」



…と、いうことは?



「だとしたら、襲撃者は竜の牙ではないということでしょうか?」


「そうなってしまいますが、もしもそうだとすると襲撃者が何者なのか分からなくなるわけでして…。」



学園長は悩んでいる様子ね。



襲撃者の正体とウィッチクイーンの存在に。


仮に襲撃者が竜の牙ではないとしても、

だからと言ってウィッチクイーンが私を助ける理由はないわけで。


少なくとも学園長が知るウィッチクイーンは共和国と敵対しているはずなのよね?



だからこそ疑問が残るわけだけど。



どうして私を助けたのかな?



個人的に仲が良いっていうのなら理解出来なくもないけれど。


あくまでも初対面だからウィッチクイーンとは知り合いじゃないわ。



決して仲が良いわけじゃないのよ。



そしてなにより国外にいるはずのウィッチクイーンが共和国の内部にいる理由が分からないわよね。



共和国に攻撃を仕掛けるつもりでいるのなら私を助ける必要なんてないはずよ。



…なのに。



どうして私を助けたの?



謎が残るわね。



「ウィッチクイーンは他に何か言ってましたか?」



…う~ん。



何かあったっけ?


当時の会話を思い出しながら答えてみる。



「私は今後行われる交渉の為の鍵だと言っていました。ですが彼女も詳しいことは知らないとも言ってました。でもそれはマールグリナが襲われた事件とは別の話のようです。」


「ふむ。ウィッチクイーンはあなたの力を求めているということでしょうか?」


「分かりません。でも、私を必要とするかどうかはこれからの成長を見てから判断すると言っていました。」



必要であれば迎えに来る…と。


だけど必要でなければ見捨てるとも言ってたけどね。



「私には可能性があるから手を貸したけど、これからは自分の力で立ち回りなさい…と言っていました。」


「ふむ…。」



私の話を聞いた学園長はさらに悩んでいるように見えるわ。



「どうも完全な味方というわけでもないようですね。」



…ですよね。



「それと彼女は最後に気になることを言っていました。」


「何ですか?」


「天城総魔が残した5つの希望と想いに応えられるかどうか?と言っていました。御堂龍馬と常盤成美とは違う結末に辿り着けるかどうか?それが私に託された希望の価値だと彼女は言っていました。」


「希望の価値…ですか?」


「はい。」


「よくわかりませんね。」



…まあ、ね。



説明してる私でさえ理解できてないわけだし。


学園長が疑問を感じるのは当然だと思うわ。



それに御堂君のことは知ってるとしても、

もう一人の人物には心当たりはないでしょうしね。



魔術大会で優勝を続ける御堂君の名前を知らない人はいないと思う。


魔術師であれば誰もが知る名前なんだけど。



「常盤成美という方は…?」



やっぱり知らないみたい。



「御堂君と共に魔術大会に参加していた常盤沙織の妹です。私もまだ会ったことはありませんが、沙織から話は聞いてます。目の見えない『全盲の少女』だそうです。」


「ふむ。全盲…ですか。」



新たに増える疑問。



どうしてここで全盲の少女が関わってくるの?


それ以前に天城総魔が残した希望って何?



そもそも5つの希望って?



もしもそこに私と御堂君と常盤成美さんの3人が関わっているとするのなら。



残り2人は誰なの?



そして希望の価値って何?



増える一方の疑問。


その疑問を解決してくれる人物は行方不明。



ウィッチクイーンは何を求めて何の為に行動しているの?



天城総魔との関係は?


どうして希望の存在を知っているの?



様々な疑問が浮かび上がるけれど。


どれも解決には至らないのよね。



「ウィッチクイーンに関しても調べる必要がありそうですね。」



…確かに。



「気になることが多いですよね。」



各地で起きている異変。



それをまだ私達は何も知らなかったのよ。




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