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THE WORLD  作者: SEASONS
4月19日
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地下の鍵

涙を拭いながらテントを出た私は、

ひとまずみんなと一緒に行動することにしたわ。



今は先頭を彩花が歩いてるんだけど。


当然のようにあずさが寄り添って並んでいるわね。



私と未来は二人の後ろを歩いてる。



奈々香は一番後ろよ。



5人揃って進む先には、

ミッドガルムの国境を眺めながら会議を行う学園長達がいるわ。



『カリーナ女学園』の学園長、桜井由美。


『グランバニア魔導学園』の学園長、進藤輝彦。


『国境警備隊』の司令官、楠木博文くすのきひろふみ



軍の指揮を任されている3人が集まって会議を行っている最中みたい。



「ミッドガルムの軍はすでに半数以上が撤退しているようです。」



報告しているのは楠木さんよ。



立場的には司令官だから学園長よりも格上のように思えるんだけど。


実際には進藤学園長のほうが立場が上なのよね。



普段は学園長として活動してるけど。


実は陸軍で一番偉い人だから、

全ての権限を持っているのは進藤学園長になるの。



肩書で言うなら陸軍元帥らしいわね。



軍の役職に関してはあんまり詳しくないし、

興味もないから気にしてないんだけど。


ここにいる3人で言うと、

進藤学園長>楠木司令官>桜井学園長の順番かな?



まあ、うちの学園長は魔術師ギルドの総帥ではあるんだけど。


軍隊とは関係がないから本来ならこういうところで軍の指揮をとるような立場じゃないと思うんだけど。


どういうわけか共和国軍の指揮官もしてるのよね〜。



…何か理由があるのかな?



よくわからないけれど。


とりあえずはどうでもいい話よね。



「このまま全軍を撤退させるつもりかしら?」



桜井学園長がミッドガルム軍を眺めながら相談してる。



一応、共和国側から仕掛けるつもりがないことは向こうも分かってるはずだから、

無理に戦い続ける必要はないってことになるのかな?



「おそらくそのつもりだとは思うが、しばらくは様子を見るしかないだろう。」



桜井学園長の疑問に進藤学園長が答えてた。



軍を下げれば戦争が終わるはず。



そうなることを期待してるわけだけどね。



現在もミッドガルムは軍を撤退させてる最中みたい。



一応、退却の理由はミッドガルムの国政の問題らしいけど。


東側一帯に問題が発生したからでしょうね。



その辺りの情報の真偽を確かめる為に派遣した近藤隊長の部隊はまだ帰還してないらしいわ。



私もまだ詳しい話を知らないけれど。


出発してからまだ数時間しか経ってないそうよ。



ミッドガルム軍の監視の目をかい潜りながら敵国の諜報を行うわけだしね。


安全を考慮して行動が遅くなるのは仕方がないし、

どう足掻いても迅速な帰還は期待出来ないと思うの。



だから今はまだ情報の真偽に関しては近藤隊長の帰還を待つしかないみたい。


ミッドガルム軍が全て撤退するかどうかは様子を見るしかないっていう感じね。



今の共和国に出来ることは少なくて、

ただ待つことしか出来ない状況なのよ。



そんな3人の会議に私達は割り込んだわ。



「失礼します。」



丁寧に挨拶をしてから学園長に歩み寄る彩花が、

傍に寄り添うあずさを気せずに話しかける。



「学園長、先程のお話の続きをお願いしたいのですが…。」



…ん?


…あれ?



…先程って何?


…私が寝てる間に何かを話してたの?



一番最後まで眠ってたから何も知らないんだけど。


彩花はすでに学園長と何らかの話を進めてたのかな?



「…ふう。無事に5人とも目覚めたのね。」



私達に振り返ってくれた学園長は、

全員の様子を確認してから彩花に『小さな鍵』を差し出していたわ。



「これが地下への鍵よ。大切な物だからなくさないでね?」


「はい。分かりました。」



鍵を受け取った彩花がポケットの中へとしまい込んでる。



…っていうか、それって何の鍵なの?



色々と疑問を感じるんだけど。


誰も私の疑問に答えてくれそうにないのよ。



「それでは行ってきます。」



…ん?


…行くって何処へ?



一言だけ告げた彩花が、

早々に学園長に背中を向けてしまう。



…結局、何なの?



このやりとり自体が謎なんだけど。


学園長は微笑みながら見送ってくれていたわ。



「カリーナ女学園の名に賭けて、悔いのないように最後まで努力しなさい。」



…え?


…悔いのないように?



…努力するって何のこと?



事情がよくわからないんだけど。



学園長の指示に返事も返さずに、

彩花は歩みを進めてしまうのよ。



そのせいでね。


私達もあとを追いかけることになってしまったの。



「ねえねえ、彩花?学園長に会って何がしたかったの?って言うか…話って何のこと?」



一通りの質問をしてみたんだけどね。


やっぱり彩花に答えてくれる気はないみたい。



「着いて来なさい。私達にはまだ出来ることがあるわ。」



微笑んでくれただけで、

さっさと歩き続けてしまう。



全く説明がないのよ。



…いや、だからどういうことなの?


…ちょっとくらい説明くらいしてくれてもいいんじゃない?



なんてね。



そんなふうに思うんだけど。


結局、何も知らされないまま彩花達と一緒にカリーナに帰ることになってしまったの。



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